沼の真ん中で後退と前進に差があるか

BTSのメンバーを知り始める。

BTSは7名のメンバーで構成されています。7名全員にわかが書くのもどうだろう……という気がするのでとりあえず公式貼っておきますね。

へぇ……と思った特徴がいくつかあるので書いておく。
・リーダー=最年長ではない(意外だった、逸材がいるのだろう)
・ラッパーが3人いて、みな自分で基本的にRap詞を書いている(K-POPアイドルグループの楽曲はラップの比重がやはり高いと学ぶ)
・元々ラッパーとして活躍していたり、作曲家編曲家としての活動をしていた人がいる。(なるほどBIGBANG的なアレかなとにわか知識で察する)
・上と下の年齢は5歳差(7人もいるのに割と少ない)

では気になる人の話です。

たぶん君はご新規ホイホイ1


・JUNGKOOK(1997生まれ/A型)上ツイート右下の子ですね。
書くために調べて気づいたけど、A型なの……そう……おとめ座のA型だね……
22歳、若い。韓国は年齢の数え方が日本と違うようなのですが、あまり気にせず書いた。
前々回記事で貼ったEuphoriaという曲を歌っていた男性です。この画像ちょっと幼過ぎない……?男性って書いたけど、「男の子」って感じでは?こちらの罪悪感が酷い。まぁ~かわいい顔してるな、と思いました。わたしが同世代だったり年下だったりしたらわからないですけど、カッコいいというかかわいい顏してんな……という印象でした。なんならバブい。でも身長178cmもあるのか……温度差がすごい。

ごめん、バブではないな……?いや?ん?
まぁ韓国のアイドルは鍛えてるってよく聞くし多少は……多少……?(調べてみたら鍛えすぎて筋肉豚と呼ばれている節がある)(ウケる)(ウケない)首から上と下でギャップを容易に演出すな。

かなり多くのボーカルパートを担当しており、結果的に真ん中で踊ることも多い(らしい)まだそんないっぱい見てないけど確かにそうかもしれない。声はそこそこ分かるようになっ(てしまっ)た。
歌もダンスもラップもできて、絵も描けて運動神経も良いので「黄金マンネ(末っ子)」と呼ばれている……そう末っ子でしたか、最近末っ子に弱いのかもしれない。運動神経が良いってどの程度?と思ったんですけど

ジャニーズ運動会みたいなことをやっている……(既視感)
BTSのメンバーがリレーをしていて、JUNGKOOKくんがアンカーをしています。メンバーみんな速いんですけど、JUNGKOOKくんは笑えるくらい速い。

爽やかな整った容姿に癖のない歌唱力とダンスで運動神経も良い、これは人気あるよなぁ、と思いました。
あと割と負けず嫌いな人っぽい。わたしは負けず嫌いな人がとても好きである。

13:30くらいから自分のソロステージの様子を撮影したものをJUNGKOOKくんが見ている。「自分はもっとうまくできたはず!」と悔しさを全く隠さない。具体的にここがこうで、本当はこうならないといけなかったと説明までしている。撮られてるのに、そこまで言うんだ、と思うし、完成版も見たけれど何がそんなに問題なのかは素人目にはやっぱり分からなかった。すごいステージだった。本人の求めるレベルが高いのだなぁ。その姿勢には単純に好感が持てたし、恐らくこれを見るファンのことを信じているから撮られても平気なんだろう。

K-POPアイドルグループには「ダンスライン」「ボーカルライン」「ラップライン」という言葉があり、〇〇ラインと言う言葉には恐らく〇〇が得意とか、〇〇担当、くらいの意味合いがあるっぽい。
JUNGKOOKくんはこの中で「ダンスライン」と「ボーカルライン」と呼ばれているようです。見ていく間に気づいたんですが、かなりはっきりとした特徴のある他の子たちと比較して彼はかなり癖がない。
例えば「ダンスライン」と呼ばれているのが、JIMINくんとJ-HOPEくんとJUNGKOOKくんのようなのですが素人目にもはっきりその違いが分かります。JIMINくんは華麗で軽やか、優美、という言葉の似合うダンスですし、J-HOPEくんはいい意味で重さがあり、深く、勢いや激しさがあります。そのふたりに比べると癖がない、見やすい、一番お手本みがある。キレイにさらっと踊っているように、見える(素人並)
ボーカルも同じようなことが言えると思います。とにかく強い癖がなくて嫌われづらいパフォーマンスができる人、初見に優しい。
わたしはアイドルが好きなので、分かりやすい魅力を放っている人が好きで、最初に目についたのはその辺に理由があるんじゃないかなと思っています。歌もダンスも上手で顔も良いのだから、まぁ好感を持ってもおかしくないよね!そうつまりこれは新規ホイホイ枠、やはりわたしの好みはメジャーなのだな……としみじみ思っていた。でも顔が綺麗で歌もダンスもできるから、というそこで納まってくれれば、大したことはなかった。正直ダンスと歌と、そのスキルだけを好きになれるのなら、それは理想だ。けれどネットという大海はわたしにそれを許さない。

なんでもできる子危うい子

ちょっとびっくりさせられたものひとつ。前回MVが凝ってる!壮大!大盤振る舞い!みたいなことを書いたけど、これはそういうことじゃない。
別種の豊かさだ。あれとこれが両立していることがすごい。
これは普段のJUNGKOOKくんをお兄さんメンバーたちが撮影した動画を編集して作られたものらしい。今より若い時のものから割と最近のものまで。練習や食事中の風景、居眠りしたり、など彼のありふれた日常のどこかだ。(これは余談だけど歯磨きしているところが出てきて笑ってしまった、男性声優グラビアで歯磨きさせられがち問題)
Euphoria(幸福感)と名付けられた曲に彼を優しく見守ってきたのだろうお兄さんメンバーの視点で切り取られたJUNGKOOKくんが映っている。ご主人が撮影した安達祐実さんの写真も素敵だと思ったけれど、同種のものを感じた。撮影する側とされる側の信頼感や親愛が滲んでいる。
まぁこういうものってきっと色んなアイドルたちのスマホの中にたくさん収められているんだろうと思う、彼等だけじゃない。でも「どうぞどうぞ僕等の可愛い可愛い黄金マンネを見てください」と言わんばかりに、全世界に公開しているのがすごいと思いませんか。公開は昨年、もう売れに売れた後にこれをやろうと考えた人もすごい。
なんだか話がずれてきちゃったな。
そう、これは別に危うくない。むしろいい話だし、彼らのそういう家族愛のような関係性がそもそも海外ではウケている、という話も聞いたことがある。理想のファンタジー的に捉えられているということだと思う。
わたしが危ういと感じてしまったのは別のことだ。こういう感情は沼の始まりである。

この動画、公式チャンネルで公開されているのだが、撮影および編集の全てをJUNGKOOKくんが行っているのだそうだ。G.C.(Golden Closet)というのはJUNGKOOKくんのスタジオの名前(他のメンバーもスタジオに名前がついているらしい)。Film、つまり映画。
多趣味という表現で良いのかどうかも分からなくなってきた、さらっと見た限りでは大阪を観光しているメンバーの様子が描かれている。お洒落な雰囲気なのにメンバーの言動は素っぽい仕上がりで凄まじいファンサービスだなと思った。
ただそう割り切るにはちょっと不自然なところで映像が切り替わったり、音楽が途切れたりする。これはなんの演出なんだろうか。ふと調べてみると、なるほどね?という言葉が検索で引っかかる。
ファンの方は喜びつつざわめいているのだ。勿論全ての、じゃない。一部の、ただ分母が分母だから、一部でも大きい思う。でも素人の検索で特定できるのであれば、ある程度この界隈が盛り上がったことは想像に難くない。実際そこそこの頻度で見たなその言葉。
何の界隈か?―――こちら側で言う「ナマモノ」らしい。
この動画で流れている音楽はいわゆる「失恋ソング」である。調べた限りでは「主人公には隣に眠るような親しい今の恋人がいるにも関わらず、忘れられない過去の恋人を引きずっている」という趣旨と思われる。つまり不自然に途切れる個所や特定の歌詞で映し出される人物によって、あたかもそういう関係性があるかのように妄想させる作りになっている、らしい。

よく二次元オタクは原作の余白を勝手に埋めだすし、そんなこと書いてないけど?ってことも真実かのように語るし、そういうのが好きな人が同人誌を出すわけで、どんなジャンルでも本当にそんな意図が公式サイドにあったかは不明である、と思う。

だからJUNGKOOKくん本人がどんな意図をもってこれを作って公開したのか、正確なところが分かる人は恐らくいないんだろう。
でも発表したJUNGKOOKくんはある程度これを見たファンの反応は想像していたはずだ。作者の想像を超える反応や指摘なんてそうそう来ないと森博嗣先生も言っていた。だからそういうざわめきを予想してなおこれを出したんじゃないかと思う。
良い度胸してるなぁ……怖くないのかな。ファンのそういう反応が面白いからやっているのかな。中々危うい、すごい。わたしは臆病だから、こんなことやっちゃって大丈夫なの?と無意味にハラハラする。何を考えている人なんだろう、きっとよく分かんない人なんだろうな。「だってFilmじゃん、フィクションだよ?」と言うのだろうか。メンバーにもファンにも可愛い可愛い末っ子として扱われてきた男の子が突然、反抗の舌を覗かせたような挑発に映った。ちょっと怖い人なのかもしれない。

真っ直ぐで大きな愛情

JUNGKOOKくんの初期ソロ曲らしい。彼のソロはどうも3曲あるようなのだが、割と自伝的な趣がある。
15歳でデビューした彼はその思春期のほとんどを芸能活動に当てている。芸能活動やダンス留学など色々な要因が重なり、高校入学を1年見送るほど多忙だったらしい。
この曲はそんな彼が自己を形成するにあたって、最も影響を受けたグループのメンバーであるお兄さんたちへのラブソングだろう。お兄さんたちによって自分は作られた、と。
成長した彼に対し「JUNGKOOKは器が大きくなった」「元々大きかったけれど、そこに注ぐ水を持っていなかった」とお兄さんたちは評し、それに対しても「全部お兄ちゃんたちが作った器だ」とそう返したそうだ。
そんな彼はお兄さんの前で「自分が大変なのは辛くないけれど、お兄さんたちが辛いのが一番辛い」と泣いたらしい。実際自分が大変なのも大変じゃないわけがないけれど、少なくとも今より幼かったJUNGKOOKくんのメンバーへの愛情が感じられるエピソードだと思う。
――では、ファンには?

彼は何曲もカバー曲を公開しているのだが、ファンへのメッセージとして発信されているものがあるらしい。基本的にカバー曲は全て歌詞を確認して選んでいるのだそうな。


本当はオリジナルを参照した方がいいのだろうけど、当然の如く韓国語なので……「그때 헤어지면 돼 (その時 別離れればいい)」
この訳詞を参考にさせていただくのであれば、ファンに対し「いつ離れて行っても構わないし、自分はいつでもここにいる」ということじゃないだろうか。
過去、写真集が発売された際、ファンへのメッセージを、と求められそれがオンライン上で公開されているのだが、そこでも似たようなことを言っている。

「ARMY達が会いたい時いつでも来てもいいし、また行かなきゃいけない時や行きたくなった時、いつでも離れて大丈夫です。しかしこれだけは憶えていて下さい。僕はいつもこの場所にいることを」(정국)
https://ameblo.jp/bangtanlab/entry-12360620527.htmlより引用させていただきました。 

達観している、と捉える人も多いと思う。
ただわたしは大きい、深い、随分ずっしりとした質量の愛情をファンに向けているのだなと感じた。当時恐らく20歳くらいの男性の発言である。

以前の記事で書いた生配信の映像でも、一体この人はカメラの向こうに何を見ているんだろうというくらい目が輝いていた。以前俳優の菅田将暉くんは「カメラってどこへ吸い込まれていくのか分からないところがある」と言ってカメラ目線の難しさをテレビで話していたけれど(役者はカメラ目線になることがないので、と)、そういう感じは全くない。何か素敵なものがあることを信じて疑わない親しみのある顔をしている。その先にいるのは無数のファンだ。

アンビバレント

危うい、何を考えているのか分からないような一面と周囲にこれでもかと向ける大きな愛情は相反するように思える。
けれどファンはたぶんその大きな愛情の中で彼の様々な一面に振り回され、揺れているんじゃないだろうか。たまにその揺れが大きくてたぶんはみ出したり、放り出されたり、溺れたりする人もいる気はする。やっぱり怖いな。でも底の見えない愛情の中なのだ、きっとたまらない幸福があるに違いない。それなのに、「いつどこへ行ってもいいよ」などと言う、軽やかさと深さが両立している。きっと盲目的に夢中で追いかけてしまう人がいても、おかしくない。

よく言われることだし、誰の言葉かも忘れてしまったけれど、人間は敵に回したくない人を好きになるのだという。JUNGKOOKくんに魅力を感じながら、同時に怖いと思うわたしはつまりそういう作用の中にいるのだ。

あぁ、嫌だなぁとなんとかしなきゃと思っていたら、突然視界を横切る人が現れた。

次回、そんなの聞いてない(意訳:ふたりめの話をします)

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