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「パパたちの時代は好き放題できてよかったね」なんて未来はダサすぎる。

「丁寧に暮らす」なんて立派なものではないけれど。
少し、ほんの少しだけ自分の目に届いていない世界の現実に想いをはせる。

地球規模の環境問題に危機感を感じても、自分の暮らしの小ささはまるで大海の一滴みたいで。それに引き換え目の前の手軽さや安価は、ぼくの生活にダイレクトに大きな影響を及ぼす。

いまはまだ、このギャップを埋めるのはちょっとむつかしくて。

「プラスチックは分別さえすればいいでしょ」
「冷凍さえしておけば、いつかは食べるでしょ」
「安い服がSALEで買えてラッキー」

って考えるのは、消費者として生活者として、お財布事情的にも、ぼくにとっては当たり前のことだった。うん、なんなら分別してる分だけ、捨てずに済むように冷凍している分だけ、安く欲しい服を手に入れている分だけ。賢くてエコな消費者な気持ちだった。

ぼくは、とても残念だけどよりよい世界を想像して、その想像力で毎日の暮らしを変えられるほど豊かな想像力を持ってはいない。

遠くの国の労働者を想って、100円高いフェアトレードチョコを買えるだろうか。
見も知らぬ国の労働環境を改善するために、ファストファッションを選ばずにいられるだろうか。
見たこともない海の生き物たちがプラスチックを飲み込まないように、目に見えないマイクロプラスチックを飲み込んでしまわないように、プラスチック容器を使わないスーパーを探して、ゼロ・ウェイストな暮らしを実現できるだろうか。

世界はあまりにも遠く。暮らしはあまりにも身近だった。

でも、お片付けの仕事を通して物を捨てることだけじゃなく、物を選ぶことを少し考えるようになった。食品ロスについて、大量に廃棄される衣類について、プラスチックが環境に与えるたくさんの負荷について。いくつもの本を読んだり、リサイクル工場を見学したり、話を聞いたり、映画やドキュメンタリーを見たりしているうちに、知らない世界の大変な問題は、知ってる世界の大変な問題になってきた。いまや、宇宙でさえもゴミ問題を抱えているのだ。

そんな中、環境活動家のグレタ・トゥーンベリの怒りに触れた。
彼女は、地球環境を憂いて心配しているのはもちろんだけど、もっと身近な視点で怒っていた。

「あなた達が壊した地球環境の尻拭いを、わたし達にさせるな」

彼女は、ぼくたちに向かって「自分のケツは自分で拭け」と言っているのかもしれない。

娘が大人になったころ。
どのような環境で、どのような暮らしをするようになるのだろうか。

いまだって、突然のゲリラ豪雨にビビったり。
日本でも子どもの貧困が問題になっていて、他人事じゃなくなっていたり。
川を流れる水は、田舎から都心へ引っ越してくるとその匂いと汚さに驚いたりする。

2018年、アメリカにおけるミツバチのコロニーの40%が死滅あるいは消滅した。

ミツバチが減っているって話は、実感はないけど聞いたことはあった。
もしもミツバチがこのまま減り続ければ、はちみつはもちろん、農作物も大きな影響を受ける。ぼくも娘もはちみつが大好きだ。野菜は、娘はまだ嫌いだけど、ぼくは大好きだ。はちみつも、野菜も自然いっぱいの美味しいものを食べたい。

娘が大人になったころ。
環境を守るために、様々なルールでがんじがらめになってしまうとしたら、ぼくには謝罪のしようもない。

環境のことばかりを考えなくてはならなくなり、本物の肉を食べることができなくなったり、

例えば、自分の意志でヴィーガンになるのは素敵なことだけどヴィーガン以外は軽蔑されてしまうような社会になると生きづらいなと思う,

または水位の上昇によって、埋立地が使えなくなり、東京や大阪の土地が高騰し、家賃がさらに値上がりしてしまったりしたら。

夏の気温の40度超えが当たり前になり、熱中症になったり、外で遊ぶことが危険になり、夏場を楽しく過ごすことができなくなってしまったら。

「パパたちの時代は好き放題できてよかったね」なんてことになるかもしれない。

バブルが弾けた後、ずっと不景気な社会で暮らすことを余儀なくされているぼくたち親世代は、資源を食いつぶさないことの大切さをもっとわかっていてもいいはずだ。

グレタの語るように、ぼくたちは自分で食いつぶしてきた環境の尻拭いを、自分の子どもに「俺らはギリギリ逃げ切るから、自分のことは自分たちで考えな」だなんて言っていいわけがないのだ。

ぼくの想像力では、地球を守るために日々の楽な生活をストイックにエコにするのはちょっと難しい。

だけど、娘が大人になるころ。
環境に怯え、自由に心地よく暮らすことが当たり前でなくなってしまうしたら。
そんな未来は、申し訳ないし、悲しすぎる。

自分の子どもの未来のためなら、自分にできることは何かあるのかなって知ろうと思える。
子どもと一緒に、環境について学ぶのもおもしろいかもしれない。
そこで芽生えた好奇心の芽は、食材を無駄にしないことや、エシカルなブランドを応援したりカッコいいと思う気持ちに繋がると思う。

わが家で出るペットボトルはほとんど2リットルの炭酸水だった。炭酸水は安価に買えるから必要ないって思っていたけど、炭酸水メーカーを導入したことで、ペットボトル用のゴミ箱を無くせた。
わが家も広くなったし、ゴミも出ない。
ずっと使い続ければ、コスパもいい。

ガスのシリンダーは使い捨てじゃなく、回収して再利用される。
水は、ミネラルウォーターを買うことで水道水の300倍ものコストに、何倍もの環境負荷をかける。

重たいボトルを筋トレのように買って帰る必要もなくなった。ぼくの負担も省エネできる。

地球規模を意識しなくても、暮らしを楽しくしながら環境負荷を軽減することはできるんだと知った。

水だけじゃない。
食品ロスは、恵方巻の大量廃棄のイメージのように企業のインパクトが大きいと思っていた。
でも、食品ロスの46%は家庭からだという。
ああ、なんだ、わが家が変わらなければダメだって話じゃないかって思った。

食べたいメニューに合わせて食材を買うのではなくて、食材からメニューを考える。

それだけでも、冷蔵庫で食材を腐らせてしまうことを減らせるかもしれない。

洋服だって、安くてオシャレな物を選ぶのもいいけど、何を大切にしているブランドなのかってストーリーを知ってファンになって、大切に使い切るのも悪くない。

小さなことだけど、楽しみながらできることはある。
子どもと一緒に学んでいくこともできる。

地球や、遠くの国や、クジラの命とぼくの日々の生活にはちょっと距離を感じてしまうのだけど。
できることを考えながら、楽しんでいこうと思う。

無理やりにエコを押し付けるのではなくて。
一人ひとりは、楽しみながら継続的に変わっていけばいいのだと、ぼくは思っている。
そんな小さな変化を楽しむ仲間が、少しずつ増えたらいいなと思っています。

では、また明日。

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