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家族みんなでお好み焼きを食べられた日。

今夜は、家族3人でお好み焼きを食べました。
ホットプレートを出して、じゅうじゅう焼いて、うまいうまいと言いながら。

ただそれだけのこと。ですが、ぼくにとってはかけがえのない思い出の日となりました。

それは、5歳の娘がまったく同じ物を、みんなで一緒に食べたから。

5歳の子どもが、大人と同じ物を食べるなんて普通じゃないかと、みんなは思うのでしょうか。
ただ、うちの娘はかなり偏食だったのです。

野菜はほとんど食べない。家ではうどんやラーメン、そうめんなどの麺ばかり。肉も好きじゃなくて、魚は最近ようやく食べるようになった感じでした。

お弁当には野菜も肉も入れるし、毎日完食してくるので食べられないわけじゃない。
アレルギーなんかも別にありません。
ただ、少食なほうだし、ご飯を食べることにあまり興味がない感じでした。

ほとんど風邪もひかないくらい元気だし、排便もGOODなので、家では無理やり食べさせるよりも「まずは食べることを楽しんで欲しい」と、わりとリクエストに応え続けていました。

つまり、親のメニューとは別にいつも娘のためのメニューを作っていたのです。

晩ごはんは、親と同じものを出しても絶対口をつけない。食べたいものを聞けば麺類か納豆巻き。だからいちいちそれを作り続けていました。

お弁当だって、毎日娘が美味しく食べてくれる物を考え。ほぼ唯一のまともな栄養源(炭水化物と糖質以外の)なのでタンパク質、ビタミン類、食物繊維がほどほど取れそうかなどを考える。

いつもいつもいつも。
考えて、作って出して失敗し。麺類が続いては栄養面が心配になり、お弁当で野菜を多めにしてみたり、なんて数年間でした。

それが、最近少しずつ食べることへの興味が湧いてきた娘。
お魚を夢中で食べ、ハンバーグをパンに挟んで食べ、卵焼きを自分で作ってはおいしいと食べ。
だんだんと、いろんなものを食べるようになって来ていました。

そして今夜。
娘のリクエストで、作ったお好み焼き。
娘の分だけキャベツ抜きとか、豚肉なしとかではない。まったく同じものを切り分けて、はふはふ言いながら、みんなで食べたのです。

──ついにこの日がきた。

娘がキャベツも豚肉も、おいしいと言いながらお代わりをして食べる姿を見たときに、思いがけないほどの喜びが湧き上がってきたのです。

いつか普通に食べられるようになることなんて、わかっていました。2歳ごろからずーっと、そんなことはわかっていました。
でも、3歳になっても、4歳になっても、5歳になってもその日は訪れなかった。

その間ぼくは、毎日毎日娘の分の別メニューを考え、作り、残され(残飯処理をし)、同じ炭水化物ばかり与えていることに嫌気がさしていたのです。

まだまだ偏食がなくなったわけではないでしょう。明日からも相変わらずうどんを作り続けるでしょう。
それでも、一歩ずつ進んでいるんだという今夜のこの手応えはなによりも、ぼくを励ましてくれました。

家族みんなで、お好み焼きを食べた。

たったそれだけのことが、こんなにも嬉しい。
そんな夜でした。

では、また明日。



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