”叱る”コマンドの使用を減らす方法 その①
子どもが全然言うことを聞いてくれなくてイライラすることって、当たり前だけどよくあります。
今日も、おもちゃ屋さんで「なんで言うこと聞けないの! 何回”もう行くよ”って言わせるの!」とおもちゃから子どもを引きずり離そうとするお母さんを見かけました。
このお母さんはわりと感情的な勢いでしたが、おもちゃ屋さんなんか子連れで入れば、どの親だって同じ思いは経験しているはず。
「買わないよ」って言ってるのに、延々と売り場を徘徊し、展示おもちゃを見つけてはガチャガチャといじり、そしてまた次の展示品へと歩き出す。
もう休日のおもちゃ屋なんて、ゾンビのように子どもの後ろをついて回り、スマホをポチポチしている親御さんで溢れています。
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とにかく子どもを”叱る”って難しいんだよなと、いつも思う。
でも、叱る時に「しつけ」や「子どもに覚えさせる」「言う通りにさせる」なんてことをいつも真剣に考えていると、本当に親は辛くなっちゃう。
当然のことだけど、それって相手(子ども)の変化を期待するってこと。
これは大人同士のコミュニケーションにも通じるのだけど、相手を変えるってのは本当に難しいことだし、ほとんどが不毛な結果に終わる。少なくとも自分の理想通りになんか絶対に相手は変わらない。
それを、どうにか思い通りにさせようとすれば、大抵はパワープレイに落ち着いていく。
そして、パワープレイで無理くり言いなりにさせたところで、その場での行動が変わったとしても、本質的なところは変わらない。
叱るを因数分解してみる
なんか子どもを言う通りにさせようと思うと、いつでもどこでも”叱る”コマンドが立ち上がってきがち。
だけど、”叱る”をもう少し因数分解してみると、もっとコマンドを増やせるんじゃないかと思うのです。
よく考えてみると”叱る”は大きく3つに分けられる。
それは”伝える”と”教える”と”注意する”。
大抵子どもを叱る時って、このどれかにあたる。でも、これって全部本当に”叱るコマンド”を使わないと、実行できないの? と疑問に思うのです。
これらを使いこなせれば、最終手段とも言える”叱るコマンド”の選択をもっと減らしていけるのです。
実は叱るで大切なのは、「子どもの変化」じゃなくてこの3つ。
この3つがあって、はじめて少し行動が変わってくる。でもこれってわりと即効性はなくて、このコミュニケーションの積み重ねの結果、子どもが理解して、行動するようになる。
だから子どもの変化って実はゴールとしてはずっとずっと先にある。なのに、”叱るコマンド”を使用することで、一足飛びに行動変化を起こそうとしたり、起きたように見える。それって結構問題。
それに何より叱るってとにかく疲れるし、お互いに幸せが遠のくので、叱る以外の方法を増やしたいなと思うのです。
叱るコマンド→「伝える」コマンドへ
なんとなく叱っちゃってるけど、実はそれって叱る案件じゃなくて、「自分の気持を伝える案件」だったりすることって結構ある。
例えば、先のおもちゃ屋さんでの出来事であれば。
お母さんは「(何か用があるか、ただ疲れたのか)早くおもちゃ屋さんを出たい」のです。でも子どもは「出たくない」。当然そこにはすれ違いがあるのだけど、なぜか親の前提として子どもは親の言うことを100%聞かなくてはいけないという思い込みがある。
この前提を外して大人同士と考えてみると、この親子のコミュニケーションがいかに不自然かが見えてきます。
ウインドウショッピングをしている彼女。
もうそんなのには付き合いたくない彼氏。
彼氏が彼女に罵声を浴びせながら腕を引っ張って連れて行こうとしている。
これ、想像しただけで恐怖です。カップルだったらDVレベル。
同じことを、親は子どもに対してやっている。
なぜか?
さっきも言ったように「子どもは親の言うことを100%聞かなくてはいけない」というバイアスがあるから。つまり正義は常に親にありと思ってる。
僕は基本的には(基本から外れるケースは後述します)親子は対等だと思っています。子どもが言葉を上手に話せない時から、そのスタンスは変わらない。
「言葉が話せない=意思を雑に扱っていい」ではないのです。
このバイアスって気をつけないと色んなところに無意識に現れる気がしていて、大げさなことを言えば差別に繋がる種になっていると思ってしまうのです。
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少し話が膨らみすぎましたが、つまりついつい子どもを叱ってしまう時ってよく考えてみると「自分の希望通りにならないから」ってことがある。
子どもにしてみたら「オモチャ見ちゃダメとか、お前の勝手な都合だろ」ってなもんです。
そういう時は、子どもが相手でも「命令」ではなくて「お願い」の方がコミュニケーションとしてはしっくりくる。ましてや、親の提案でおもちゃ屋に来た場合なんかにキレたら、子どもにとってこんなに理不尽なことなんてない。
だから子どもに対してお願い上手な親御さんって、イライラすることがひとつ少なくなっているように見えるのです。
冗談交じりにこちょこちょしながら言ったり、ふざけ合いながらお願いしたり、子どもも「キャハハ!」と楽しそうに笑いながら、「しょうがないな〜」って受け入れてる。(場合も少しは増える)
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伝える、は親がいかに自分の気持を子どもに伝えるかです。
子どもは、わかるボキャブラリーで伝えれば、結構しっかり理解してくれる。それが大好きなパパママの助けになるとわかれば、ドヤ顔で我慢してくれたりする。(そして後々自慢したりする「わたし、あの時ガマンできたでしょ!)
それって本来なら叱る案件じゃないのに叱ってるってこと。
そもそも、親の都合を押し付けるのに叱る、ましてやそこに教育やしつけなんていう肉付けをしてしまうのはとても不自然です。
本当は叱らなくてもいいことなのに、つい叱ってしまっていることに気がついたら素直に子どもに謝るのも大切なことだなって思います。
叱る、じゃないけど先日「これは親の都合で適当に言いくるめようとしちゃったな」という反省と気づきを書きました。
参考になれば。
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少し長くなったので、残りの”教える”と”注意する”についてはまた明日に。
今日も、見に来てくれてありがとうございます。
連休最終日は、娘と2人で水族館デート。本当にただただ楽しくて、つい今しがたまでずっと「今日は楽しかったね」と言い合っていました。
こんな風に、楽しく過ごせる貴重な時間に感謝をしながら、大変だった連休(風邪など)を終えられてよかったです。