ファミリーシェアオフィスのレシピ〜発売前の書籍の一部を無料公開します!〜
6月に発売予定の「子育て家庭のためのモヨウ替えの教科書(仮)」の一部分を、急遽無料公開することにしました。
コロナが猛威を振るうなか、在宅ワークに切り替わっている人たちがたくさんいます。ぼくも3月以降、すべての打ち合わせがオンラインに!
そして、打ち合わせ相手の方々が軒並み自宅からつながっているようになりました。中には、お子さんが近くにいたり、パートナーもとなりでオンラインmtgしていたりします。
この状況のなか、在宅で仕事や勉強がやりやすい環境をつくるってとても大切なこと。だったら今この時期に、家族が仕事や勉強をみんなでやりやすくなるためのモヨウ替えのレシピを知ってもらえたらな、と思ったのです。
なので、編集者さんと話をして、先に一部分だけnoteで公開してしまおうということになりました。公開にあたり、noteで読みやすいように加筆修正を加えたので、本では少し内容も変わると思いますが、環境づくりの参考になれば幸いです!
ファミリーシェアオフィスのレシピ
【このレシピはこんなご家庭に向いています】
・こどもそれぞれに個別のデスクを用意するスペースはない
・親も自宅で仕事をするスペースが欲しい
・集中してこもれる書斎が欲しい
わが家のコワーキングスペース!
2020年3月現在。世界中でコロナウイルスが猛威を奮っています。多くの方がこれを機に在宅ワークへとシフトせざるを得ない状況になってきました。これまでは出社しないとできないと思っていた多くの仕事が、在宅でも対応できるようにしていこう、とみんなが工夫をしはじめています。
この在宅で仕事をする、という働き方は今後ますます広がっていくと思います。
日中だれもいなかった家が、仕事をしたり勉強をしたりするスペースを必要としてくる。そういったワーク環境を整えることが、これからは大いに求められると思うのです。
仕事だけに限らず、子どもの成長に伴ってリビング学習ではそろそろ限界かもというタイミングも来るかと思います。
でも例えば兄弟などで各自に学習机を用意して子ども部屋に入れるのは難しかったり。パパもママも実は書斎やワークスペースが欲しかったりと、勉強や仕事、作業ができるスペースを家にどうやって作っていこうかと迷う。
そんなご家族にお勧めなのがこのファミリーシェアオフィス。
ファミリーシェアオフィスって?
文字通り家族用のシェアオフィスを家庭内に作ってしまうのです。
デスクは結構場所を取る家具。しかも一人ひとりに割り振ると、その大きなスペースはその人だけのものになってしまいます。なのでワークスペースを個人に割り振るのではなくて、フリーアドレスに。
するとそこは子ども達の勉強スペースにもなるし、大人のワークスペースにもなります。
まさにシェアオフィスよろしく家族みんながシェアしながら使うパブリックスペースの誕生。物置化してしまった洋室やファミリーライブラリーと併設させるのがいいでしょう。
個人のスペースは無法地帯になりがちですが、共有の場所というのは片付けなくてはいけない強制力が働きやすい。卓上に私物を置きっぱなしにしないことをルールに活用することをおすすめします。
また、兄弟などがいらっしゃるご家庭の場合、子ども部屋を2つ用意したり各自にデスクをつくらなくても、「ファミリーシェアオフィス+子どもの寝室」という部屋割りでお子さんのスペースづくりを解消することもできます。
たとえば兄弟がいるご家庭の場合、「子ども部屋を2部屋つくる」と考える方が多いと思います。でも、「子どもの寝室(着替え)部屋」+「ファミリーシェアオフィス」で考えてみるとどうでしょうか。親も仕事をしたり作業ができるスペースと、大量の本棚スペースを生み出すことができます。仕事の書類やPCも行き場をなくさずにしまっておくことができるのです。
もちろんこれは、どちらが正解ということではありません。ご家族で話し合いながらどういった使い方がわが家には向いているかな、と考えてみてもらいたいのです。
それでは、そんなファミリーシェアオフィスのレシピをご紹介します。
ファミリーシェアオフィスのレシピ
【2人以上が同時に座れるフリーアドレスデスクを用意】
ファミリーシェアオフィスの材料は、フリーアドレスで使えるワークデスクと、本棚。
フリーアドレスデスクはひとり用デスクだと専有化してしまいます。なので2人以上が同時に座れる大きさを用意するといいでしょう。とは言え、ワークスペースに家族全員が一堂に会することはほとんどないと思いますので必ずしも4人がけデスクなどでなくても構いません。
そして、本棚をデスクの近くに置いておくこと。そうすることでワークスペースとして実用的になります。このファミリーシェアオフィスは、前述のファミリーライブラリーととても相性がいいので、両方を兼ねた部屋を作るのもいいでしょう。
デスクの配置は大きく2パターン。
① アイランド型:部屋の中央にテーブルを配置
② カウンター型:壁面にカウンターデスクを配置
③ LD一体型:ダイニングテーブルを活用
① アイランド型
部屋をひとつ空けられる、部屋にゆとりがある、ということなら思い切ってその部屋をファミリーシェアオフィスやファミリーライブラリにしてしまうのもおすすめ。
これはわが家です。
デスクと椅子を置いて、ふたりなら同時に作業することができるようにしています。
6畳の空間があって、めちゃくちゃ本が多いならこんな形でも。
ちょっと椅子を引くのが狭くはなりますが勉強も仕事もやりやすい空間の完成です。
② カウンター型
②のカウンター型は、壁の一面をデスクスペースとして活用します。その分本棚は少なくなってしまいますが、部屋が狭めの場合でもつくることができます。また、カウンター前の壁にホワイトボードシートを貼るなど、壁面を楽しく使える工夫をするのもおすすめです。
③ LD一体型
ソファダイニングを活用したり、ダイニングの横にカウンターデスクを設置したりするといいです。
この際のポイントが2点。
1>必ず近くに書類棚を設置すること。
2>カウンターデスクの奥行きは450mmまでにすること
LDにワークスペースをつくることのデメリットは、テーブルの上が散らかってしまうことです。そして、作業したあとの書類や本がそのままテーブルの上に置きっぱなしになってしまう。
なので、必ず近くに本棚や書類棚を設けるのがポイントです。
そして、カウンターデスクを設置する際に気をつけたいのが、デスクの奥行き。
学習デスクのように奥行きが600mm以上もあったりすると、圧迫感がものすごく出てしまいます。しかも、ただでさえダイニングテーブルも別にあるとなると。
なので奥行きを450mmほどまでにしましょう。
奥行きが浅いと使いにくそうですか? じつは450mmって作業をするのに特別浅いサイズではありません。A4のノートがおおよそ縦300mmなので充分に広げることができます。
広いほうが使いやすいと思い、机の奥行きを深くすると、そこにドンドンと物を置いてしまって結局作業スペースが狭くなってしまう、なんてことになっているデスクを山程見てきました。だったら、最初から少し浅めのカウンターにしておくのがおすすめです。
個人的には、400mmでも充分だと思っているくらいです。
個人ロッカーを近くに設置
ファミリーシェアオフィスは家族みんなでシェアして使うスペース。そのためルールを守れないとすぐに使いこなせない状態になってしまいます。
ファミリーシェアオフィスにおける何よりも大切なルールは「使い終わったらテーブルに私物を置いておかない」です。
みんながここに作業途中の私物を置き始めたら、テーブルの上はあっという間にカオスになります。
図書館やカフェで作業した後、テーブルの上の荷物を全部片付けて帰りますよね。それと同じようにすればいいのです。
そして、その片付けをしやすくするために個人ロッカーを作っておくのが有効。
別に本当のロッカーである必要はなく、本棚の一角を各自に振り分けるだけでOKです。そこに本をしまうだけでなく小さな引き出しを入れて小物や文具を入れたり、名刺や封筒などをしまう場所を作ったりします。
さいごに
いきなり一部屋用意するのは、なかなか難しいかもしれません。
でも、個人ロッカーをカラーボックスで設置してみたり、この週末に思い切って物置化してしまっているお部屋を片付けてみたりしてもいいかもと思います。
これからリビング学習や在宅ワークが増える、という方はぜひファミリーシェアオフィスに挑戦してみて下さい!