B.M.Cとは
結論から言うと、
Brush Modern Calligraphy(ブラッシュモダンカリグラフィー)
筆ぺんで書く手書き英文字というところでしょうか。
昔むかしのお話から。
多分、最初に文字を書くことが楽しいと思ったのは小学生のころ。
近所のお姉さんが通っている習字教室に行きたくて親に頼んで習わせてもらえることになった。
同い年ぐらいの子たちが正座して、淡々と墨を磨って静かに文字を書く。
今までにない世界。
同じように墨を磨ってみると、独特の香りがしてただ磨っているだけなのにとても気分が落ち着いた。
筆を持って文字を書くと、紙からはみ出るぐらい大きく書きなさいと言われた。
言われた通りに書いたら、とてもいいと褒められた。
一か月ほどたって級を与えられた時、少し飛び級していたのでまた褒められた。
級を発表する本のようなものが毎月届くと自分の名前を探した。
級の最初に名前が載っていると、その中でも一番ということだったのでそれを見て一喜一憂した。
いつも前の方に名前が載るようになってより楽しくなった。
褒められること、認められることで文字を書くことが好きになって字をキレイに書きたい欲求は増していったように思う。
が、中学生になったころ、運動することが楽しくなり、部活に入るとその熱はいったん冷めてしまった。
そして、再び文字を書きたいと思ったのは、短大を卒業して何年かしたころだった。
学びたい欲求が出てきたのか、ワインやチーズの勉強をしたり、エレクトーンを習ったりしたころにカリグラフィーに出会った。
家の近くのカルチャーセンターで見つけたカリグラフィー教室。
ニブにインクを付けて文字を書く初めての体験。
最初の書体はイタリック体からと決まっていた。
本当はカッパープレート体に憧れていたのだけれど。
その書体に行き着くには、少なくともあと5書体を習わなければいけないといわれて少しショックを受けたが、イタリック体を書くための独特なペン先、書くための傾斜した台、思うようにキレイに書けない線でさえ毎週楽しくてハマっていった。
その楽しい期間は引っ越しによって中途半端に終わってしまった。
次に何年かして仕事の面談で、唐突に「字を書くことが好きです」と口走ったことでやっと認識したというか、そうかと納得した。
字を書くことが好きなんだと。
あんなに鮮明に、はっきりと思うことが今までなかったのになぜ急にそう思ったのかは不明だけど、字をキレイに書きたい欲求は高まるばかり。
ある時、カフェのブラックボードを書くことになり、おしゃれなフォントを探してインターネットを見ている時に、筆ペンでアルファベットを書いている動画と出会った。
穂先やしなりをうまく利用して、どんどんと文字が紡がれていくのをいくつも見た。
ただ文字を書いているだけだったけど、見ているだけで気持ち良かった。
そしてよく見ていると日本のメーカーの筆ぺんで、しかもカラーだった。
家にある筆ぺんや文具屋で見かけていたのは、黒か薄墨のものだったのでそんなものが日本製であるのか!とびっくりした。
そして、筆ぺんを使いこなしているのが海外の方だったことにも衝撃を受けた。
一方で日本に住んでいて、文具店も身近にあるのに日本で書いている人が少ないことが残念だった。
でも、私と同じように書きたいと思っている人がたくさんいるはずと思って練習をし始めた。
やり始めると思っていたように書けなくて、もどかして、もっとうまく書けるようになりたくて、毎晩のように練習をしていた。
そして、なんとなく今までよりキレイに書けた文字を見てもらいたくてインスタグラムに投稿することにした。
動画も撮ってアップしてみた。
少しずついいねとしてもらえるようになって、もっともっと書きたい、もっともっと書きたいと思う人が増えてほしい、もっとみんなに書いてもらいたいと思い始めたときに人に教えてみるのはどうだろうと考えた。
そして細々と始めたのがワークショップ。
定期レッスン。
まだまだだけど、少しずつ輪は広がっている気がする。
筆ぺんを使ってモダンカリグラフィーを書くのはとても気軽。
紙と筆ペんがあればすぐに始められる。
なのでブラッシュモダンカリグラフィーをもっともっと沢山の方にこの楽しさを伝えられたらと思っている。
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