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子どもの才能は遺伝か環境か? 〜朝の読書メモ〜

才能はどうやって決まる?

人の才能はどのように決まるのでしょうか?

親の遺伝?育ってきた環境?

色々な意見がありますが、現在では「遺伝と環境の相互作用」という説が主流となっています。


そして、アメリカの発達心理学者の「アーサー・ジェンセン」は、

「遺伝的な可能性が花開くのにどれくらい環境が左右するかは、特性ごとに違う」

という説を提唱しています。

例えば、身長など遺伝的な要素が大きい特性もあれば、知識・学力のように環境に左右される度合いが大きい特性もある、ということです。


実は、その後の研究で、好き嫌いや身体特性は遺伝の要素が大きいとされています。つまり、

「親の好みや身体特性が高確率で遺伝するなら、親が最も力を発揮できる環境は、高い確率で子どもの才能も発揮されやすい環境である」

ということです。

(Benjamin,et al.,Nature Genetics,1996/Ebstein,et al.,Nature Genetics,1996)


遺伝と環境の相互作用の3パターン

遺伝と環境の相互作用には、「受動的・誘発的・能動的」の3つのパターンがあるそうです。(慶應大.安藤寿康)


①受動的相関

これは「親は、自分が好ましい環境を子どもにも与える」という傾向です。

例えば、

▶︎ 社会性が高い親は、子どもをパーティに連れていく

▶︎ 野球が得意な親は、子どもを野球チームに入れる

▶︎ 勉強が得意な親は、勉強に専念できる学校に入れたがる

など、親の経験・好みを子どもに生かそうとする傾向です。


②誘発的相関

これは「才能がある子は、周りの人がそれにふさわしい環境を用意する」という傾向です。例えば、

▶︎ 身長が高い子は、バスケを勧められる

▶︎ 学力が高い子は、進学校を勧められる

▶︎ 海の生き物が好きな人には、海洋大学を勧められる

など、「この子にはこの道がいいのでは?」と周囲の人が動いてくれる傾向を指します。


③能動的相関

これは「自分の得意を生かせる、環境を自分で選ぶ」という傾向です。

例えば、

▶︎ 走るのが得意なので、陸上部に入る

▶︎ 読書が好きなので、自分から図書室の先生に質問をしにいく

▶︎ 好奇心が強いので、海外に留学する

など、自分で得意を生かせる方向に進んでいく傾向です。


まとめ

この3つの傾向を考えると、最初に、

1、親が子どもの得意不得意、好き嫌いを理解する

2、子どもに合った環境を用意する

この2つができれば、その後は自然と自分の強みを生かした人生を送れる、と言われています。

果たして、そんなに上手くいくかわかりませんが面白い説ですね(^ ^)


(参考)


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