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届く言葉

時々、困ってしまうような人がいらっしゃいます。私はこの人の明日が今よりよくなるように…と思いつつ、話を聞いています。        そうすると「あっ!」とその人の心に届く言葉が浮かびます。(いつもではないし、もちろん私の手に負えない人もいます。)

ある日来た方は、宇宙からの攻撃があると。  そこから守りたくて知らせに来たと。主旨はそれで、時々話があっちこっちへ。

「わかるかい?」と時々、私に確認するも間髪入れず次から次へと言葉が発せられる。

「こんな話では誰も信じてくれないだろうに。」「こんなに沢山話しても信じられない。虚しいだろうな。きっと信じて欲しいだろうな。」「小説かアニメの世界だ。もしかしたら、私が知ってる世界では信じ難いけれど、こうゆう世界もあるのかもしれない。」と私は思いました。     そこで「あっ!」と。

「わかるかい?」とその人が聞いたその時がチャンス!!と私は次のように言いました。

「私はまだ体験したことがないですが、もしかしたら、そうゆうこともあるのかもしれませんね。」と断定はせず、「あるのかも。」と伝えました。

その途端、ストンと。            顔も一瞬びっくりしたような感じなり、そして、声のトーンもペースも落ち、顔も落ち着きました。

時計を見て「あっ、もうそろそろ時間だね。帰るよ。」と言って素直に帰って行きました。

かもしれない…でいいから受け止めて欲しかったのです。認めて欲しかったのです。自分の話を。自分を。

きっとずっと否定され続けていたのでしょう。 

私がその職場にいる間は、その人は二度と来ることはなかったです。




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