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誹謗中傷と憧れ

木村花さんが亡くなって以降、改めてネット社会での誹謗中傷が問題視されてきました。SNSプラットフォームによる規制や法規制により、一時的に誹謗中傷は抑制できるかもしれません。しかし、誹謗中傷する側の心理を理解しなければ本質的な解決までたどり着けないでしょう。今もなお、芸能人を中心に特定の人に対し誹謗中傷を続けている人もいます。この世からそのような刃を取り除くにはどうしたらよいのか、一つ一つ考えていきたいと思います。

モグラたたき

ネット社会での誹謗中傷はお互いの顔を合わせないまま一方的に攻撃しているものなので、発信者側の詳細はすぐにはわかりません。なので情報開示請求などして訴訟を起さない限り、潰されては攻撃し、潰されては攻撃しと終わりのないモグラたたきのようなシーソーゲームが繰りひろげられることでしょう。

自分の弱さを認められない

人間は完璧にはなれないので、誰しも強み弱みを持っています。強みを自覚することは自分の自信にもつながるのでいいのですが、自分の弱みとなると、プライドもあってなかなかその弱みというものを認められない傾向があります。さらにその弱みを他人が強みにしているとなおさら嫉妬の感情が出てきて尚も認められなくなります。

私たち一般人にとって、テレビ画面に出てくるような芸能人はいわば憧れのような存在であり、その感情は尊敬ではなく恐怖の感情とも似ています。自分たちには到底近づくことのできない、大きな影響力を持った人たち。目の前にすると固まってしまう人もいるでしょう。

ネット社会が隆盛したことにより、そのようなひとでも気軽に交信できる機会が増えてきました。いい意味での憧れがそのままいい影響をもたらしてくれればいいのですが、一部の劣等感をこじらせた人が、ネット社会で目の前にいないのをいいことに、自分の劣等感によるストレスの捌け口に芸能人を選んでしまう。劣等コンプレックスですね。それを自覚していない人が多いように思います。

だから、自分の劣等感を否定し、自分にできないことは自分の責任にあるということを認められず、○○さんは○○だからできるんだよとか、そういう現実逃避に走るわけです。

私たちにできること

少なくとも誹謗中傷する心理として、その対象に強い関心を示していることに間違いありません。ですから、私たちがそのような誹謗中傷を受けたときは、冷静に対処するとともに、自分の影響力の指標として使えることも頭に入れておきましょう。そして、知らぬ間に私たちが誹謗中傷する側になる可能性があることも忘れてはなりません。自分にできなかったことを誰かができたと宣伝していたとき、自分の弱みを認められず、その人は○○だからできたんだと無意識に思ったりしていませんか。私も思うことは多々あります。しかし、できないものはできない。それを認め、他人の強みを認める勇気を持ってください。そして、自分にできると信じているなら、自分ができていない現状において他人に原因を置くのではなく、どうしたらできるようになるのかを冷静に考え直すようにしてみてください。きっとあらたな発見が得られるはずです。

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