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やんわ〜り、じっくら〜と金沢へ。

数日前に、煮干しと顎出汁用アゴ、鰹節を買いに近江町市場へ。ずっと前から決まった店がある。
煮干し屋のおばちゃんは、高い昼飯食べに毎日バスに乗って来とるようなもんや、と笑っていた。
仕方ないよね、でもさ、静かに落ち着いて昼御飯食べるなんてさ、これから先も滅多にないことだからさ、今のうちに楽しんどこうと思ってさって。
そうですよ、もう穴場、ばんばん知ってるでしょ、羨ましすぎるわ、と言ったら、
そうそう、そこなんよ、ねえさん。今度ゆっくりできる時にお昼前においでや。良い所、教えてあげるよ。おばちゃん、美味しい寿司、おごったるさかいなって。

二人で顔合わせて笑った。
やっぱりがらんがらん。観光客の皆さんには申し訳ないけど、それはそれで安心して買い物が出来るし、こんな風に楽しい会話もできる。

地元を喜ぶ市場人と、蟹など買わないくせに何しに来た、と言った顔つきの市場人。
複雑なのは、お互い様。
いつも帰りに寄る寿司屋の店先に弁当が並ぶので、協力協力。



中巻きなんて、素人じゃあるまいし、何でこんなにサービスしてんだろ、と言いたくなるほど、トロが溢れてた。おまけに、とても新鮮。ブリかまの煮物も買った。ひとくちでわかる昔から知ってる味。
金沢近江町の本来の姿を見た気がした。
息子、夜まで待たずに全部食べちゃった。笑

金沢は何も変わっていません。
多分、また皆さんがお魚を食べに、治部煮を食べにいらっしゃる時が来るまで、変わらずにじっと待ち続けます。そんな街です。
どうぞ、よくよく養生して、流行り病を終息させてから、やんわりとお越し下さい。
今度こそ、じっくら〜と、ね。

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