2020/01/31(金)週に1~2日「ノーSNSデー」を設けてみることにした。なんか……びっくりするほどゆとりが生まれた……。

 ぼくは「ほぼ日刊イトイ新聞」を長年愛読しているのだが、奇しくもここ数日「ネット中毒」「スマホを捨てろ」といったことについての記事が立て続けに掲載された。

 前者は、糸井重里さんによる「今日のダーリン(2020/01/30)」にて、後者は書家の石川九楊さんへのインタビュー記事にて、それぞれ語られている。

(注:「今日のダーリン」は2日間経つと閲覧することができなくなるため、前者の記事は2020年02月01日の8時59分以降は読むことができなくなります。ご注意ください)

 ぼく自身、かなりのネット中毒で「これはいかんなあ、だめだなあ」と長年鬱屈した思いを抱いてきた。それゆえ、いつもなら「言われなくてもわかっているんだよぉ。わかっているけどやめられないんだよぉ」とぶーたれるところであったが、なぜか今日は「たしかに、一日二日ネットを見なくてもなにも支障はないな」と、スッと言葉が入ってきた。糸井さんの「ネット中毒ってチェーン・スモーキングに似ているよね」という例えがわかりやすかったからだろうか。非喫煙者のぼくは「たしかにそれはいやだなあ」とすんなり納得することができた。腑に落ちたというやつだ。

 すんなり納得できた。

 腑に落ちた。

 となると「やってみよう」という気分になる。

 よし、やってやろうじゃないか!

* * *

 しかし、そうは言うものの、いままで何度も「脱・ネット中毒」を試みてはその都度失敗を繰り返してきた。

 そこで、やり方を変えることにした。

 いままでは「時間制限」「回数制限」というかたちで「脱・ネット中毒」を図ってきた。

 しかし「ネットは1日1時間!」とか謳ったところで、一度見てしまえばあとはもうズルズルとはまって止められなくなってしまう。そもそも、ネットのリンクというものは一度見たら離れがたいように張り巡らされている。「web(くもの巣)」「net(網)」とはよく言ったもので、かしこいサイトやサービスほど一度捕まえたら離さないように作られている。

 一度捕まったらもう離してもらえない。それがインターネット。

 ……ならば、捕まってもOKな日近寄ることすらNGな日を分けてみてはどうだろう?

 「じゃあ、週に1日、まったくSNSを見ない日を設けよう」

 かくして、この新方針が生まれた。

 「ネット全部ダメ!」にしてしまうと仕事や生活に必要な活動もできなくなってしまうため、SNSだけを制限することにした。

 具体的には「Twitter」「Facebook」「Discord」「pixiv」そして「note」が制限の対象となる。

* * *

 そして、実際にやってみたところ……すごかった。

 1日の中に、いきなり巨大な空白ができたような感じになる。まるで、モノでいっぱいだった部屋が急にがらんどうになったかのような……。

 とまどった。かなりとまどった。

 「オレは……この空白をどう生きればいいんだ……」という気分になった。

 だが、次第に慣れてくると、これが心地よく感じられてくる。

 「オレは自由だー!」という気分になってくる。

 いや、変わったのは気分だけでない。

 ずっと積んでた本の一冊を、空いた時間でおおむね読み終えることができてのだ。

 気分が変わり、実利もあった。 

 よし、この試み……採用!

* * *

 ぼくはこれまで、SNSから多くのものを得てきた。だがその一方で、大量のノイズやフェイク、そしてネガティブな感情も浴びてきた。相当なストレスである。

 また、SNSに多くの時間を割くということは、その代償として価値ある他の活動に割くべき時間を失うということでもある。例えるなら、10円玉を100枚掻き集めるのに夢中になっているあいだに、1万円札を1枚獲得できたはずの機会を棒に振ってきたようなものだ。

 SNSは、決して悪いものではない。

 大事なのは、バランス。

 バランスという観点からすると、週1~2日は「ノーSNSデー」にするというのはなかなかいいアイデアだと思う。仮に2日間見なかったところで、その2.5倍である5日間は見ていいのだからそれほど支障もないはずだ。「週休二日制」「休肝日」みたいなものだと思えば、健康にすらいいかもしれない。「情報」や「感情」が心身に与える影響はきわめて大きいのだから。

 今日1日やってみたところ、かなりいい感じではあったが、今後もうまくいくかはまだわからない。当面はテストを続けて試行錯誤していくつもりだ。

 実施する曜日はひとまず月曜日と金曜日とする。4日おきと3日おきでバランスがいいし、平日最初の日と平日最後の日に時間的・精神的余白を設けるのは一週間にメリハリがついていいのではないだろうか。


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