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グアテマラのトルティーヤ作りで学んだ大切なこと【ショートストーリー】

「僕がメキシコに行った理由」でも書きましたが、グアテマラにスペイン語を勉強しに行った時、レンチョという友達の家に住ませてもらうことになった。

レンチョは今まで見てきた人の中で一番友達が多いんじゃないかというぐらい、世界中に友達がいて、いつも本当にハッピーな人。

レンチョの家にはいつも4人ぐらいの人が居候している。国籍はいつもバラバラ。グアテマラには世界中から来る旅人も多くいるので、色んな人がいる。その居候している人が友達を連れてきて、レンチョの友達も来て、「夜はいつもパーティー!」みたいな家。

僕もその居候の中の一人。
そして同じ時期にもう一人、レナというグアテマラ人の40代ぐらいの女性も住んでいた。

この人も本当にいっつも元気な人。
そしていっつもジョークを言い合うとても仲の良い友達。マヤの血筋を持っている人で、第一言語はマヤ語。話すときに喉を打つような音が含まれる言語だった。

カトリック教徒なので、日曜日になるといつも教会に行っていた。

ある日「教会に一緒に行こう!」と誘われ、「一回行ってみるか。」と思い、誘われるがままに行くことに。

が、、、本当に一日中お祈りをしていて、1時間ぐらい経ったところで「レナーもう帰ろー」と言って一緒に帰った。

後々レンチョに聞いたところ、一人で行く時は8時間ぐらい教会にこもるそう。

その後も毎週日曜日は教会に誘われ、毎回断る、ということが日課になり、次第にこれが2人の間のジョークになった。
レンチョが僕を遊びに誘うと、すかさず横からレナが「Tomokiは明日は教会だよ!(笑)」みたいな感じで。

話し辛い宗教に関しても、こういうことが言えるぐらい仲が良い関係。

そんなレナが、ある日「一緒にトルティーヤを作ろう!教えてあげる!」と誘ってくれた。

トルティーヤは作っているところは見たことがあったが、実際に自分で作ったことはなかった。

そこで、好奇心旺盛な僕は、二つ返事で「やる!」と言う。

そして早速レナが僕に教えながらトルティーヤの生地を作り、それをトルティーヤの形にするやり方を丁寧に教えてくれる。

方法としては、手で生地を投げたりパンパン叩いたりしながら少しずつ平べったくしていく、というもの。

これが意外と難しい。。

何回やっても破れてしまい、「これはもう俺にはできないやー。。」と、レナに言った。

するとレナは、さっきまで笑っていたのにいきなり真剣な顔になり、「できないことはないよ。できる、と思って真剣にやれば何だってできるよ。」と僕に返事をした。

「確かに。そもそも始めた時からできると思ってやってなかったな。」

と、レナの言葉に動かされるように真剣になり、トルティーヤ作り再開。

レナの手をもっと細かく見ながら、丁寧にトルティーヤの生地を叩き始めた。

そうすると、ほんの5分で自分でもビックリするぐらい綺麗なトルティーヤが出来上がった。

「ほら、できたでしょ。」とレナが一言。

トルティーヤ作りを通して、真剣にやれば何だってできると学んだ日だった。

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