弾除けの加護

深々と急所に刺したナイフを男から急いで引き抜く。その間にも背後で盾にしているテーブルへ銃弾が突き刺さる。
周囲を確認すると、右側から1人回り込んできていた。
そいつと俺がトリガーを引いたのはほぼ同時。『今回も』相手の銃は俺を逸れていく。そして俺の弾も『いつも通り』狙いを外れる。

男の胸を狙って撃った3発の弾は、壁に穴をあけ、テーブルのグラスを割り、そして腿を打ち抜いた。まずまずの成果だ。男は体勢を崩し床に倒れる。すぐには銃も顔もこちらを向かなかった。その上入口からの銃声も途切れてる。
絶好のタイミングと判断し、ナイフを抜いて倒れている男に飛び掛かった。

男は咄嗟に躱そうとしたが、それよりも先に組み付いてナイフを突き立てた。痛みにうめく男を入り口側に向けて盾にして次の行動に思考を巡らす。リロードを終えた入り口側の男が撃ってくる。何発かが盾にした男に当たり、全身から力が抜けた。撃ち返しながら近くのテーブルを倒して次の壁を作る。

「なぁ、ここらでやめにしないか!俺は賞金首でもないし、殺したって得はないぜ。死んだら無駄死にだぞ。」「ふざけるな!先に手前ぇが手を出したんだろうが!ボスは完全にお前を殺す気だ!」「だから、あれは事故だって・・・」「うるせぇ、死ね!」
くそっ、やっぱ引き下がっちゃくれないか。

やはり、やるしかないか。少なくとも、さっきの3発分は”弾除けの加護”がある・・と思いたいがその後あいつが撃ってきた弾で相殺されている可能性もある。
くそっ、何が”加護”だ。どれだけ役にたってるのかどうかすら分かりやしない。しかも、副作用で今回みたいなトラブルを呼び寄せやがる。

覚悟を決める間もなくタイミングがやってきたのでテーブルの陰から飛び出した。とにかく撃ちまくって釘付けにし、接近するしかない。距離をとって撃ち合っても『必ず』狙いが外れる以上こちらが不利だ。「うおぉぉぉぉぉ!」

続く・・・

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