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たとえキャリアが止まっても

「いつか子どもが欲しい」

そんな未来は、常に現在の自分から遠い先だと思っていた。


2018年にフリーランスになった。SNSを通じて仕事の縁があり、目の前に広がるあらゆる可能性や働き方に高揚感を覚えた。当時はただただ仕事が楽しくて、2年の同棲を経て結婚した夫にも「今はとにかく仕事がしたい」と伝えていた。

2019年に結婚式を挙げた。大きなライフイベントがひとつ終わったことで、妊娠・出産への道のりは少しだけ近づいた(あくまで感覚的だけど)ような気がした。でも関わる媒体や組織にようやく愛着が湧いてきたり、新たな案件にも挑戦できるようになった頃。自分の世界が広がる楽しさを捨てきれずにいた私は、やっぱりまだまだ仕事がしたかった。

2020年に家を買った。夫婦ふたり暮らしには少し広い3LDKの中古マンション。広々としたリビングが欲しくて、リノベによって2LDKに生まれ変わり、「予備室」という名の子ども部屋候補もできた。おうち時間が増え、新しい生活様式のなかで一時的に仕事も減ったけど、初めてつくったプロダクトのリリースや、熱望していた案件に関われるようになった頃で、仕事は楽しかった。

でも、ちょうどその頃、子どもと歩む人生もいいなと思える出来事があった。

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きっかけは姉夫婦に子どもが生まれたこと。赤ちゃんがいる生活が身近になったことで、妊娠・出産が一気に“自分ごと“になったのだ。

実家に帰省する時は、いつの日からか姪っ子が会話の中心になり、一見強面の父親も姪っ子を目にすると、ふにゃふにゃの笑顔で話しかけるようになった。写真共有アプリを通じて見られる写真も、どれもびっくりするくらいかわいい。(そして自分にも心なしか似てるような気がする。これは絶対気のせいだけど)

これを機に仕事ばかりの脳内に、ふいに我が子のことを考えるスペースが生まれた。そして、我が子はどんな性格で、何に興味関心があって、どんな人生を歩んでいくのか見てみたいと思えるようになった。


育児をしながら仕事もこなす先輩たちが身近にいたことも大きかった。育児と仕事を両立している知人が側にいる。SNSを開けば、頼れる先輩たちが何人もいる。(会ったことはなかったとしても、存在を知ってるだけでなんとなく心強かった)

だから、たとえキャリアが止まっても、何か困ったことが起こっても、ひとりじゃないと思えるようになったのかもしれない。


仕事がまだまだしたいから、自分に子どもを育てる余裕なんてないかもしれないから、お金もかかりそうだし大変そうだから…何かにつけて言い訳をして、目をつぶってきたけれど、3年経ってようやく新たなライフプランに向き合う勇気が持てた。(子を望んでから授かるまで少し時間がかかったけれど、その話はまたいつか)




と、ここまで色々決意するまでの経緯を書いたけど、やっぱり本当はめちゃくちゃこわい。

特別バズる記事を書けるわけでもない、写真が上手なわけでもない、事業を創造したり伸ばす力があるわけでもないし、数字や分析に強いわけでもない。産休明けに仕事がひとつもなかったらどうしよう…と泣いた夜もある。

産後の自分の体力や気持ちにどんな変化があるかわからないし、育児と仕事を両立する余裕があるかもわからない。

あと、出産する瞬間のことも考えただけでこわいし不安。産後の母体は交通事故並みのダメージと聞くけれど、どういうこと!?と思う。先行きが見えなくて、とにかく不安ばかりだ。


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でも、あらゆる葛藤を経て対面した我が子はきっと想像の何倍以上もかわいくて愛おしい存在なのだと思う。それだけを楽しみに、今は毎日を過ごしている。(あと、産後のお酒解禁もいまからすごーく楽しみ!)

連休は合間に少し仕事して、部屋の掃除をしたり、散歩やヨガをしたり、ゆっくり過ごした。来年からは自分のために使える時間はないだろう。今のうちにひとりの時間を大切に過ごしたい。


予定日は8月上旬。あっという間に妊娠期間も残り3ヶ月になった。

仕事も一旦6月末まで。少しずつ引き継ぎの準備を進めたりしながら過ごしている。産後いつから復帰できるかはわからないけど、秋から冬にかけて復帰したいと考えているので、何かあればご相談ください。

最近は胎動も力強くなり、お腹もどんどん大きくなってきて、我が子の成長を感じる毎日。不安と楽しみがグラデーションのように混ざり合う日々です。このnoteもかつて葛藤していた自分のような誰かの背中を押すきっかけになりますように。

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