フォローしませんか?
シェア
行き交う人の姿もない 夕暮れ近い外人墓地。 墓石の列が夕日に赤く染まっていた。 そのひと…
それはそれは立派な門であった。 絵にも描けないほど立派だった。 つい入ってみたくなるのだ…
あやしげな物を売るあやしげな店で あやしげな店主が教えてくれた。 「この水槽の中にヘグナ…
子どもというのはおかしなことを言う。 「あっ、ミミムシ! ミミムシ見つけた!」 娘に抱きつ…
われながら最低の殺し屋だと思う。 まともな殺し方ができないのだ。 拳銃で撃ち殺す自信など…
それは小さな黒い本。 解剖学に関する本らしい。 だが、内容についてはどうでもいい。 材質…
さびしい夜道をひとり歩いていました。 ときおり冷たい風が吹き抜けてゆきます。 両親の待つ家に急ぎ帰るところでした。 こんなに時刻が遅くなってしまったので きっとひどく父に叱られることでしょう。 もう子どもでもないのに いまだに私は父が怖いのです。 ふと不安になり、あたりを見まわしました。 誰かに見られているような気がしたのです。 見上げると、大きな目が光っていました。 でも、なんということはありません。 木の枝の間から満月が覗いていたのです。 それにしても人の
「明日は、なにして遊ぼうかな」 天井を見上げたまま僕がそう呟くと お父さんが水をさすの…
夜の見知らぬ街角を曲がると 遠近法に従いつつ街灯が並んでいる。 ほとんど人通りはない。 …
「ほら、見て。この花」 「おっ、赤くなった」 「不思議でしょ」 「どうなってんの?」 「あ…