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クリエイティブワークショップ

その体験がきっかで、人生ががらりと変わってしまうような。自分自身のその後の生き方に大きなインパクトを与えたのが、このクリエイティブワークショップでした。

ここに参加するに至るまで、いかに大変だったか。前回の記事で書きました。

参加費を支払って、そして会社に有給を申請して、この10日間のクリエイティブワークショップに挑みました。

会社には、「ワークショップ参加中もネットにはつながる環境なので、仕事はできると思います」と伝えていましたが、実際に参加してみたらとんでもない。ものすごく中身の濃いワークショップで、めちゃくちゃ面白くて、学ぶことが多くて、毎日大量の課題をこなしていたので、仕事どころじゃなかったです。会社のメールも、ほとんど読むことはありませんでした。

どんなワークショップ?

プロジェクトEsinは、 作品制作を通じてクリエイティブな思考法を育てるワークショップを開催中。世界トップクラスのクリエイターが、直接指導にあたります。

https://projectesin.com/ja/

Esinとは、トルコ語で「インスピレーション」という意味だそうです。Project Esinがスタートしたのは、2004年に札幌市からスタートアップ支援資金の融資を受けたことから。もともとは、2000~2004年に東京、ニューヨーク、台北、ベルリン、ロードアイランド、札幌、カッセル、横浜で開催されたtomatoワークショップをベースとしており、その活動を広めるために設立されました。

1998年に大学を卒業して、アートから写真、そしてウェブデザインの世界へ進んできた僕にとっては、ロンドンをベースとしたクリエイティブ集団「tomato」はカリスマ性あふれる憧れの存在でしたし、その人たちが講師を務めるワークショップへの参加は夢のまた夢。まさか、そこへ参加できるかもしれない機会が訪れるとは。本当に、死ぬ気で参加費を貯めましたよ。

そして、2015年2月16日、いよいよワークショップがスタートします。

ワークショップがスタート

講師を務めるのは、tomatoの共同創設者でモナシュ大学教授のジョン・ワーウィッカーさん、同じくtomato共同創設者でカッセル芸術大学の学部長のジョエル・バウマンさん、そしてtomatoワークショップの大先輩でリボネシアのクリエイティブディレクターの吉川徹さんの3名。

ジョン・ワーウィッカーさんが、この10日間のクリエイティブワークショップのカリキュラム全体を見てくださり、日々の課題のクリティークなどもしてくださいました。フォントに関する造詣が深く、Underworldを含む数々のクリエイティブを制作。ちょうどこの時も、ご自身の作品集を制作中でした。私がキヤノン製のPowerShot S120を使って日々の記録写真を撮影していたところ、「私もそのカメラ使っていたよ」とおっしゃったことで、一気に親近感がわきました。

カッセル芸術大学で学部長を務めているジョエル・バウマンさんは、テクノロジー系の知識も豊富で、教えるのもすごく上手な方でした。電子工作的な作品制作の課題や、録音・映像の作品制作などを担当してくださいました。

講師の中で、唯一の日本人である吉川徹さん。日々の英語で進行するディスカッションの要所要所で、日本語による補足をしてくださったり。ワークショップの終盤で、立体造形についての課題を担当してくださった他、「アートプロジェクト」の進め方のフローとしてビジネス面での知識なども教えてくださいました。

今回、このワークショップの受講者として参加したのは、僕を含めて4名。常時、3名の講師と、通訳兼ファシリテーターの方が2名、そして記録用の映像を撮影する方や、講師のお知り合いの方々もいらっしゃたりもして、常に受講者よりも多い人数の運営の方がいらっしゃいました。ものすごく贅沢なワークショップです。

10日間のワークショップでつくったもの

とにかく、毎日とても充実していました。朝から夕方までみっちりと課題の制作、講評、座学などがあり。終わった後にも機材のトレーニングに参加したり、個人的な課題をこなしたりなどしつつ。すぐにまた翌日は次の課題に進む、というような。

■1日目

  • フォトウォークと作品の講評

  • 写真の歴史についての座学

  • ジャーニーという課題

「街のリズムを探す」というテーマで、各自が外に出て写真撮影。テーマを決めてじっくりと撮影した写真よりも、会場に戻ってきてから気まぐれで連写モードを使って撮影した本棚の隙間から撮った写真の方が好評だった。そういうことってありますよね。作品の質はかけた時間よりも、コンセプトの良さであったり、あるいは視覚的なユニークさであったり、偶発的なインスピレーションのおかげだったり。良い作品が突然できることがあります。

■2日目

  • 制作と思考のプロセス
    ┗文章執筆
    ┗ナレーション録音
    ┗グラフィック制作
    ┗動画撮影

  • フォントとタイポグラフィーの座学

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アメリカで陶芸彫刻を中心にアートを学び、ロサンゼルスでホームレスになりかけつつもフォトグラファーとして仕事を得て、その後日本でウェブデザイナーからデジタルマーケケターへ。

日曜アーティストとして、今まで展示した作品や、開催したワークショップなどをまとめていきます。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。