惑星ZOO

ここは惑星ZOO

地球を離れる事2000万光年

宇宙連合発足後間もなく

この小さな惑星全体を

宇宙の珍しい生き物を集めた

巨大動物園としてオープンさせたのは

宇宙連合一の巨大企業アトラス

休日には様々な星から

たくさんの家族連れが押し寄せる

ある檻の前にやって来た1組の親子

檻の中にはバライカ星の珍獣メノ

巨大で恐ろしい姿のメノを見て

子供が泣き出した

だがメノが草食で大人しい事を

俺は知っている

子供の父親が慌てて子供を抱き上げ

隣の檻へと移動した

すぐに泣き止んだ子供が聞いた

「ねえお父さん。この動物の名前は?」

父親が檻に書かれた説明を読みながら

子供を地面に下ろして言った

「これは地球人という生き物でとても利口で大人しい動物だよ」

子供が父親に抱きついたまま俺を見た

俺は檻に飛び付き

大声で子供を威嚇した

再び泣き出した子供を抱き上げ

親子は急ぎ足で離れて言った

宇宙連合への加入を望んだ

地球人に対し

宇宙連合のエージェントが言った

「あなた方の知能では加入要件を満たしません。諦めて下さい」

こうして地球は

下等な生き物の棲む星に分類された

そして人間たちも

他の猛獣と同じように

色んな星から訪れたハンターたちの

標的とされた

一部の金持ちは地球を捨て

他の星へと移住して行った

利口で大人しい?

「くそっ!」

俺は悪態をつき

地球に残して来た家族を思った

地球を脱出するためには

宇宙連合の共通通貨が必要だつた

必ず戻ると約束し

一攫千金を夢見て

俺は単身惑星キンザンへ行くはずの

宇宙船にのった

騙されたと気付いたのは

俺たちのいた船室が

鉄格子で閉じられた時だった

一人、また一人と

様々な星で降ろされてゆき

ついに俺の番が来た

鎖に繋がれ俺はこの星に降り立った

ここは惑星ZOO

地球を離れる事2000万光年

俺はこの檻の中で

年老いて死ぬのだ





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歌詞と物語を書いています。 どうぞよろしくお願いします。
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