ご挨拶
選手「監督! 下手くそな山田がレギュラーなのになぜ自分はレギュラーになれないんですか?」
監督「君はバッティングも守備もチーム一だ。だが一つだけ足りないものがある」
選手「それは何ですか?」
監督「人間として最も基本的な事だ」
選手「だから、それは何ですか?」
監督「いいから余計な事を考えず練習に励みなさい」
選手「教えて貰わないと練習に身が入りません」
監督「じゃあ教えよう。それは挨拶の心だ」
選手「挨拶って、いつもしてますよ」
監督「君がしてるのは日々の挨拶。私が望んでいるのは季節ごとのご挨拶だ」
選手「それってお中元とかお歳暮の事ですか?」
監督「そうだ。君がそれをすればエースで四番にしてやる」
選手「家が貧乏なもので、それは出来ません」
監督「それなら野球なんかやってないで仕事しなさい」
選手「わかりました。携帯貸して下さい」
監督「携帯持ってないのか?」
選手「家が貧乏なもので、すみません」
監督「ほら」
選手「もしもし、ドラフトで1位指名して頂いた山本です。入団の件よろしくお願いします。では失礼します」
監督「ドラフトで指名されたの?」
選手「はい、東京凡人軍です」
監督「凄い! それなら来年からはお中元やお歳暮出来るね」
選手「はい、契約金が入ったら・・・って誰がやるか!」
監督「あっ、ちょっと待って・・・携帯返して」
かくして彼はプロ野球を代表する名選手になったとか、ならなかったとか・・・
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