ペット入店お断り

「お客様、ペットの入店はご遠慮下さい」

店員の突然の言葉に

ハッとして辺りを見回す

だがペットを連れた客など

どこにもいない

よく見ると店員は

俺の隣を歩いていた男に

言っているらしい

だがその男も戸惑いを隠せない

店員がその男に近づき

俺を指差して言った

「特にこの様な大型のペットは保健所からもやられるんですよ」

何だ?

俺の事を言っていたのか

地球を離れること40億光年

惑星テラミスに来ている地球人は

俺を含めてほんの数人

地球人の知名度はまだまだ低い

覚えたてのこの星の言葉で

俺がペットではない事を

説明しなくてはならない

そして

酸素カフェで待っている

カメリア星人の女の子チノに

また遅れた言い訳をする事になる

石炭の指輪でもプレゼントして

機嫌をとらなければならないだろう

あーあ

地球だったら安いのにな

石炭

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