診断

医師「まことに申し上げにくいのですが」

患者「先生、はっきり言って下さい」

医師「本当にいいのですか?」

患者「覚悟は出来ています」

医師「それなら申し上げましょう」

患者「ゴクン」

医師「あなたは火葬場行きです」

患者「火葬場って、私は死ぬって事ですか?」

医師「いえ、その逆です」

患者「どう言う事ですか?」

医師「だから火葬場に行きなさいと言ってるんです」

患者「それはまた、何故?」

医師「行かないとあなたの身体が焼かれてしまうからです」

患者「私はここに居るじゃありませんか」

医師「魂はね。でも身体は霊柩車で火葬場に向かってます」

患者「ここはどこなんですか?」

医師「ここは天国の病院です」

患者「天国?」

医師「だから、まことに申し上げにくいのですがあなたの命は助かります」

患者「それじゃあ私は一度死んで天国へ来たけど何かの間違いで生き返るって事ですか?」

医師「早く行かないと焼かれてしまいますよ」

患者「焼かれたらどうなります?」

医師「あなたの魂は帰る場所を失い浮遊霊となって永遠に彷徨い続けるのです」

患者「どこを?」

医師「いや、その辺を・・・」

患者「うーん」

医師「何を考えているのですか?」

患者「それも悪くないかなと思って・・・」

医師「生き返った方が良いに決まっているじゃないですか」

患者「そう言い切れます?」

医師「まあ」

患者「決ーめた!」

医師「えっ?」

患者「浮遊霊になります」

医師「だめです。浮遊霊は希望者が多くて順番待ちの状態です」

患者「他におすすめの霊は有りません?」

医師「ウンチの霊なんかどうですか」

患者「それってどんな霊ですか」

医師「ウンチに宿る霊です。これなら人気がなくてすぐになれますけど、ほかにもオシッコの霊とか」

患者「あー、もう結構です。生き返ります」

医師「そうですか、では火葬場へ急いで下さい。はいどうも・・・。やれやれやっと帰ってくれたか。まったく最近は生き返りたがらない人が増えて困ります。えっ、ウンチの霊?そんなのいませんよ。それでは次の方どうぞ」

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