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【当たり前の話】成績上位層が個別塾に行っても仕方ない理由

 一般的に、個別指導塾に通う生徒は偏差値55以下の子たちです。成績の良い子があえて個別塾に行く必要はありません。ただし、苦手教科に限って完全マンツーマン授業を受けるのは良いです。

 まず、一般的な個別塾の形態である、講師1:生徒2のケースで考えます。この場合は、成績の良い子にとってメリットがないことは明らかです。

 講師1:生徒2の形態では、単純に計算しても授業時間の半分しか新しいことを勉強できません。残りの半分は問題演習の時間(つまり自習時間)になります。この時間に成績の良い子はかなり演習をこなすことができます。それはもちろん良いことなのですが、困るのは宿題です。宿題を出すところがなくなってしまうのです。結果的に、家庭ではずいぶん余裕がある状態になります。塾で勉強していればそれでいいと考えるご家庭ならOKですが、楽すぎるのでもっとやらせたいと考えるご家庭は不満になります。これは講師の指導が甘いわけではなく、指導形態の限界です。集団塾に行ってください。

 また、個別塾には手のかかる生徒が多く、大人しく勉強できる子は放っておかれやすい傾向があります。隣に小学4年生が座るようなこともあります。講師の時間の半分を自分に使ってもらえるとは思わないほうがいいです。 

 成績のいい子にとって、個別塾とはほとんど自習室です。ただ、顔見知りの講師とちょっとお喋りができるくらいのものです。勉強できる子へのちょっとしたご褒美、くらいの気軽な感覚で通わせるなら大いに結構です。年上の先生たちの話から何かしらヒントを得ることもあるでしょう。そうすると、付属校の学校補習の生徒には向いていることになります。それなりの成績を維持すればいいだけなので、ストレスの少ない個別塾で十分と考えられます。

 勉強のできる子が十分に能力開発をするためには、1:2の個別指導のペースでは遅すぎます。レベルに合った集団塾に通いましょう。あるいは、完全マンツーマンの授業にするかです。マンツーマンなら進度も良くなりますし、宿題も多く出せます。学習効率はずっと良くなります。しかし、受験生が全科目をマンツーマン授業で勉強すると費用がとんでもないことになります。集団塾に通いながら個別指導で部分的にフォローするくらいがいいでしょう。

 勉強のできる子にとって個別指導はちょっとしたスパイスに過ぎません。苦手教科の補強のために短期間だけ指導を受けるとか、得意教科のハイレベルな質問をするためにたまに指導を受けるとか、あるいは視野を広げるためとか、家庭や学校で人間関係が固定化してしまわないように、という動機もありえるでしょう。いずれにせよ、気楽な内部進学生でない限り、出来る子が中途半端な塾にダラダラ通う必要はないと思います。

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