Natsuki
サステナブルな製造について考える
見出し画像

サステナブルな製造について考える

Natsuki

こんにちは、TOKYO VEG LIFEのNatsukiです!現在、ヴィーガンチーズブランド「TOKYO VEG LIFE faux-mage」の立ち上げに取り組んでいます!

前回の記事で、いかにしてサステナブルに商品をお届けするか、今考えていることをシェアしましたが、今回は、お届けの前のステップ、サステナブルな製造についてです。

チーズの歴史から学べること

乳製品を全く使わない、チーズのような新たな発酵食品の開発に取り組む中で、原材料は違えど、まずは本家本元のリアルチーズのことを理解せねば、ということで、試食はできないですが、チーズに関する本や文献を読み漁っています。

チーズについて勉強する中で、特に興味があったのが、チーズの歴史。

世界中に無数の種類が存在するチーズも、製造方法が似通ったいくつかのファミリーに分けることができます。そして、各ファミリーは、スイスや東フランスの山岳地帯、北フランスの集落、ヨーロッパの修道院、イギリスなど、特定の地域や場所と紐づいていて、それぞれが置かれていた環境、条件に合った形で製造方法が進化していき、結果、大きさ、固さ、味など、特徴が異なるチーズが生まれていったのです。

例えば、スイスや東フランスの山岳地帯では、チーズが出来上がってから、険しい山道を町まで運んでいく必要があったため、スイスチーズに代表されるような、大きく、弾力性があり(割れにくい)、日持ちするチーズを作ることが必要でした。

弾力性があり、日持ちするチーズを作るためには、水分量を少なくする必要がありましたが、凝固したチーズを水分と分離させるのに有効な塩は、海から遠く離れた山岳地帯では貴重品でした。

そのため、ミルクを高温で煮て、凝固した後に、重しを使ってプレスするなど、製造方法を改良しながら、現在のチーズの形になっていったと言われています。

また、スイスチーズの特徴でもある中に空いた穴は、牛乳の中に存在する特定の乳酸菌が作り出す炭酸ガスによるもの。この乳酸菌は、穴を作るだけではなく、スイスチーズ特有の風味を作り出すという大事な役割も果たしていますが、塩分濃度が高いチーズの中では生き残れないものとのこと。

つまり、その地域の環境やニーズによって、作れるチーズが制限され、そのチーズを作れるように製造方法が改良されていき、結果的に、その地域のユニークな特徴を持ったチーズが誕生していったと言えます。

現代のチーズ作りはと言えば、伝統的なチーズを守っていくために、各国の政府によって品質認証システムが定められていて、地理的領域とのつながりを証明する必要があるなど、簡単に言えば、基準を満たしていないのに勝手に「カマンベールチーズ」と表示できないようになっています。

昔は、認証システムなど必要なかったのは、その地域の気候条件、環境でしか作り得ないチーズであったからですが、現代では、必要な種菌はネットで購入でき、空調システムで気温や湿度もコントロールできるため、理論上は、世界中どこでも、どんなチーズでも作れるということになります。

実際に、市場に出回っているチーズは、いわゆる伝統的な手法で作られているものではなく、安価に、大量に供給することができるよう、工場生産に近い形で製造されたものがほとんどとなっているのです。

サステナブルに製造するには?

ここまで来ると、「サステナブルに製造するには?」の答えは、自ずと見えてきます。

やはり、昔のやり方に習い、自然に近い形で製造すること。そして、「できないこと」を無理にしようとしないこと。

前回の記事でもお話ししましたが、TOKYO VEG LIFE faux-mageでは、メインの材料となるカシューナッツは輸入物に頼ることになりますが、他の材料はなるべく国産のもの、そして地物(信州産)を使用したいと思っています。

食品を製造する時に、食材のカーボンフットプリント(食材が手元に届くまでトータルでどれくらいの二酸化炭素が排出されているか)は忘れられがちです。特に、ヴィーガンチーズのように、海外で開発されたものを日本で作ろうと思った時に、海外のレシピに従うと自然と海外の食材にばかり頼ることになってしまいます。

それを、一歩下がって、この材料と同じような効果が得られる、地物の材料はないだろうか?と考えてみると、意外とあるだけではなく、実際に試してみると、もともとの材料とは違った、より良い効果が得られる場合もあります。

なので、なるべく国産のもの、地物を使うというのは、環境負担を減らせるだけではなく、知っているようで知らなかった食材を発見するいい機会にもなり、出来上がった商品は、より日本人の口、体に合うものになると思います。

そして、実際の製造工程についても、ラップなどのプラスチック製品や一度使ったらごみになってしまう消耗品をなるべく使わないことは重要ですが、ヴィーガンチーズという意味では、エイジングの空調管理もなるべく自然に任せたいと思っています。

標高の比較的高い長野の山の中で、一年を通して温度にあまりブレがない、地下貯蔵庫を使ったエイジングにトライしようと思っていますが、それでも、真夏は気温が上がり過ぎてできない、ということになれば、いっそ、製造を冬季限定にして、季節ものの商品にしてしまってもいいかもしれません。

凍み豆腐も、お漬物も、一年中作るものではなく、冬の寒い時期だからできるもの。

自然に任せ、自然に作ってもらうことが、本当の意味でサステナブルな製造に繋がるのかなと思ったりします。

食品の製造販売事業において、販売の部分は、エコかどうか、どれくらい環境に負担をかけているかが、最終消費者の目にも分かりやすいですが、製造については、何か基準が設けられているわけではなく、残念ながら透明性が低いのが現状です。

製造、販売を含めて、エコなスタンダードで行われているかなど、何か認定制度などあれば、サステイナブルな選択をしたいと思っている消費者にはとても助かりますね。(全く別トピックですが…^^;)

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
Natsuki
菜食、ヨガ、エコ、田舎暮らしをテーマとしたYouTubeチャンネル「TOKYO VEG LIFE」のNatsukiです。