防音室内の色選びについて
どうもこんにちは。(株)東京サウンドボックスの佐藤です。
本日は、防音室内の色選びについて考えていきます。
(株)東京サウンドボックスは2024年9月現在、当社オリジナル防音室の開発に向けて動いておりますが、現状はメーカーの既製品を取り扱う業態となっています。メーカーの既製品は一般住宅に馴染むようなデザインで統一されていて、色の選択肢は無いです。
防音室に置ける壁紙の色の選定は、ミュージシャンがより創造的で、かつ長時間集中できる環境作りにおいて重要な要素の一つだと、(株)東京サウンドボックスは考えております。オリジナル防音室を製造するにあたって、お客様それぞれのご用途、目的にあったデザインをしていくことを見据えて、色彩心理学に基づいて、色が与える影響を考えていきたいと思います。
1. 色の選び方と効果
a. 青系の色(集中力を高める)
青は心を落ち着かせ、集中力を向上させる効果があるとされています。特に、淡いブルーやグレーがかった青は、リラックスしながらも生産的な作業ができる環境を作り出します。音楽制作や細かな作業が多い場合、青系のトーンは非常に効果的です。
テレワークや制作環境に取り入れたいカラーです。
b. 緑系の色(バランスと安定感)
緑は自然を連想させる色で、心に安定感をもたらし、目にも優しい色です。長時間の作業を想定した場合、視覚的な疲れを軽減し、リフレッシュ感を保つことができます。緑の壁紙やアクセントとして観葉植物を加えると、よりクリエイティブな発想がしやすくなります。
子供の勉強や遊び部屋に取り入れたいですね。
c. 黄色やオレンジ(創造性とエネルギーの促進)
黄色やオレンジは、エネルギーを引き出し、創造性を刺激する色です。特に、明るすぎない落ち着いたトーンを選ぶと、心地よい刺激を与えつつ、過剰な興奮を抑えられます。例えば、部分的にアクセントとして壁や装飾に取り入れることで、部屋全体に明るさを与え、アイデアが浮かびやすくなる空間を作り出します。
d. 白やベージュ(リセットとクリーンさ)
白やベージュのようなニュートラルな色は、シンプルで視覚的に煩わしさを感じさせないため、特に長時間作業する際に有効です。こうした色は、他の要素(例えば楽器や装飾)の色を引き立てつつ、頭の中をリセットする役割も果たします。また、部屋を広く感じさせる効果もあります。
一般的な部屋、防音室に取り入れられているカラーです。
e. パープルやディープブルー(感情の深みとインスピレーション)
深いパープルやディープブルーは、感情を揺さぶり、インスピレーションを呼び起こす色です。音楽に感情を込める作業や、創造的なブレイクスルーを求める時に効果的です。ただし、あまり濃い色を使いすぎると圧迫感を与える可能性があるため、部分的に取り入れると良いでしょう。
2. 色のバランスと組み合わせ
色を使う際には、部屋全体のバランスを考慮することが重要です。以下の方法を試してみてください。
a. ベースカラーを決める
集中力を高めつつ、心を落ち着かせるベースカラーとして、淡いブルーやグリーンを選ぶと良いです。この色を壁のメインカラーとして採用し、心地よい空間をベースにします。
b. アクセントカラーを入れる
創造性を刺激するために、アクセントカラーとして黄色やオレンジをポイントで使用します。例えば、壁の一部やドア、棚の一角などにこれらの色を取り入れると、視覚的に楽しく、創造的な環境が生まれます。
c. グラデーションやニュアンスを工夫する
一色に偏らず、同系色の濃淡を使ってグラデーションを作ると、空間に動きと深みが加わり、飽きのこない空間になります。例えば、壁の一部が薄い青、他の部分が少し深みのある青といった具合です。
3. マテリアルとの組み合わせ
a. 木目調やナチュラル素材
壁紙と組み合わせるマテリアルとして、木目調の素材やナチュラルなテクスチャーが非常に有効です。これにより、リラックス感と自然な温かみが加わり、長時間の練習でもストレスを感じにくくなります。
b. 鏡やガラスの要素
壁の一部に鏡やガラス素材を取り入れることで、視覚的に空間を広く見せる効果があり、圧迫感を軽減します。また、光を反射させて部屋全体を明るく見せる効果もあるため、クリエイティブな作業をする上でポジティブな影響を与えます。
4. 光と色の連動
a. 自然光を意識した壁の配置
自然光が入る場合、壁紙の色は光の影響を受けます。例えば、朝は黄色やオレンジが柔らかく反射し、夜は青やグリーンが落ち着いた雰囲気を作ります。自然光と組み合わせて、時間帯によって異なる表情を楽しめるレイアウトを考えると、日中と夜でクリエイティブなモードを切り替えることができます。
b. 間接照明の活用
色温度を調節できる間接照明を取り入れると、壁紙の色の印象を自在に変えられます。集中したい時はクールトーンの照明を使い、リラックスしたい時にはウォームトーンに切り替えることで、壁の色と連動させた雰囲気作りが可能です。
まとめ
青や緑でリラックスと集中を促しつつ、黄色やオレンジのアクセントで創造力を刺激。
壁全体に一色だけでなく、グラデーションやアクセントカラーでバランスよく配置。
木材やガラスなどの素材と組み合わせることで、温かみや広がりのある空間を演出。
光と色を連動させ、時間帯や用途に応じて環境を調整。
これらのアイディアを取り入れることで、長くクリエイティブに集中できる防音室の環境が整います。
まずは試作品を作り、ショールームを構築して、お客様に体感していただくことから始めたいと思います。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。