明日はパピーズのライブがある
aLive×東京パピーズ
事前収録ライブ+生副音声配信 2020年5月16日 19時30分〜(副音声は19:15から)
https://note.com/a_live/n/n7b7cbc95ad80
こんなに息苦しいライブは二度とない。指が震える。声も出ない。
ロックンロールは敬虔さと享楽とのせめぎあいだ。自我と忘我が交わる一瞬を、いかにして3分間も引き摺りまわすか。そういう勝負だと思っている。
だから今回は自信がなかった。祈る心なんてぶれぶれで、酔えるムードも全くもない。丸腰で楽器だけ持たされたような、初めての感覚だった。
なんだこの木の塊は…
コロナショックを契機に集結した"aLive"は本当にすごい人たちだ。分かってはいたけれど、あらためてOTOTOYの記事を読んで笑ってしまった。
《The Strokes「Room On Fire」など国内外で数々の作品に携わってきたプロデューサー・サウンドエンジニアの吉岡俊一、東京国際映画祭やベルリン映画祭などで数々の賞を受賞した映像プロデューサー・ディレクターの谷中史幸、元バンドマンにしてITエキスパートの城所祐一によるクリエーター集団Kingfisher Productionsと、渋谷のライヴハウスLushとHOMEがタッグを組み…》
https://ototoy.jp/news/96856
身内と呼ぶには遠すぎるし、憧れと呼ぶには近すぎて、へんな気持ちになる。あとみんな見た目がかっこいい。ナイスミドル。
俺はずっと、ぼんやりうたって生きてきただけだ。ご多分にもれず、ここんところ無力さを味わっている。僕なんかでいいんですかね。みっともないことも言った。
「一生懸命ちゃんとやってる感じが伝わるから」と、皆さん同じように言っていた。だからそばに人が集まるんだよって。
ちゃんとやってきたのかな。覚えてないけど。もうちょっと自分を信じてやろうと思った。
そしてメンバー。これはもう説明するのも馬鹿馬鹿しいけれど。顔みたら、なんとなく頑張れる気がした。
木の塊はちゃんと鳴った。なんて激しい音なんだろう。野生の鳴き声みたいだ。
2mのディスタンス。リハーサル、右から左から同じように鳴き声がきこえる。コンクリート・ジャングル。誰もいない渋谷の地下。手塚のSFを読んでる気分でいた。
ぼんやりしてたら、もう本番だった。じゃあ始めてくれと言われて焦った。そういえば一曲目は俺のギターからだった。
なんの確信もない。それでもやっぱりちゃんと音は出た。せーので4人揃って"安全地帯"が始まった。
「この手も この足も 汚れてるような気がするよ 殺したくなくても仕方がないよね」
ひどい歌だなあ。何も今そんなこと言わなくてもな。
ピート・タウンゼントが言ってた。ロックンロールは何も解決しない。解決しないまま踊らせるんだって。残酷な話だな、とも思う。
「真っ黒な地球の上に垂直に立って歌う きみはぼくの誇りさ ぼくはきみの誇りさ」
歌いながら、焦って、丸まっていた背筋を正した。そうだ俺は真っ直ぐ立たなきゃいけない。
頭がカチンと鳴って、そこから先はあんまり覚えてない。
皆さんと一緒に配信を観ながら、ちょっとずつ思い出そうと思います。
ぜひ一緒に楽しみましょう。ライブの代替品ではなく、「これはライブだ」と胸を張って言える映像だと思います。
映像はアーカイブも残るので、当日観られない人もご安心ください。副音声の座談会は一回きりです。悪しからず。
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第一弾の東京パピーズを経て、また第二、第三があるようです。あの素敵な人達がどんな場所を作っていくんだろう。その柱の一本、ボルトの一個にでもなれたら光栄です。
それでは、明日の夜お会いしましょう。飲もうぜ。よろしく。
東京パピーズgt.vo.木村太郎
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