こゆき

築コレ〜オツな若ぇの生け捕ってきやした83 港家小ゆき

いまは伝統芸能の世界でも金髪に染めている人はそんなに珍しいわけでもないが、浪曲師では異色。もとロックンローラーが浪曲に魅せられて木馬亭などで修業。めでたく年季あけ、さらなる飛躍を見せる。
熊本出身の小ゆきの取材は、くまモンでおなじみ銀座の熊本館にて。
 子供の頃は声楽をやっていました。ロックがやりたくて東京に来て、大学は中退して、中央線沿線のライブハウスで活動していたんです。ボーカルが主で、ギターやピアノもやっていました。体を壊してしばらく休んでいた時に、日本の音楽、いわゆる邦楽ってあまり聞いてないと思い、最初は小沢昭一先生の「日本の放浪芸」のレコードから聞きはじめ、浪曲と出会いました。
 木馬亭に行きまして、ナマで浪曲を聞いた時はスゴイなって思いました。何日か通って師匠(小柳)に出会いました。音楽的にスゴイことをやっている。あとはもう、自分もこれをやるしかないだろうって。浪曲協会に電話して、師匠のところへ行きました。毎月1日~7日は木馬亭でいわゆる前座仕事をしまして、あとは稽古と師匠の後見で地方の仕事に行ったりしていました。ネタは師匠から台本をいただいて、いま、十席ちょっとあります。最初は無我夢中でした。発声が一番苦労しました。浪曲は音域が広いので、すべてを使わなきゃいけない。師匠の稽古は「腹から声出して」しか言わないです。はじめは民謡の本を買って来て、日本の声の発声の基本を勉強したり、いろんな声を出して、習うより慣れろでやって来ました。
 これからも木馬亭は出ますが、ちょっと異種格闘技戦というか、いろんなミュージシャンの方と競演をしてゆきたいと思っています。私が浪曲を通じて見ている世界に近いミュージシャンの人たちと。そんな方々を私の会にゲストに呼んだり、その方のライブにお邪魔したり、そんな活動をしてゆきたいです。まず、浪曲は面白いもんだというのをひろめるところからだと思っています。浪曲はあまり聞いていなくても音楽は好き、そんなお客さんにアピール出来たらなって思っています。
 師匠から教わった素敵な節を多くのお客様に聞いていただきたい。いま舞台がとにかく楽しい。明日何をやろうか、どんなお客様が来るのか、考えるとワクワクするんですよ。(稲田和浩)

●三遊亭ふう丈さんとは同じ幼稚園の同級生。最近、地元でお母さん同士がスーパーでばったり会い、子供の近況を報告し合って判明したとか。

港家小ゆき 熊本県山鹿市出身、5月4日生まれ。早稲田大学第二文学部中退。2012年2月、港家小柳に入門し「小ゆき」。16年3月、年季あけ。血液型O。日本浪曲協会に所属

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