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NFTについて勉強してみよう!2

こんにちは。
東京絵画センターの関です。

昨日ネットニュースを見ていたら、ビル・ゲイツの読書習慣について書かれた記事がありました。

記事によると彼は大の読書家らしく出張中は常に10冊の本をキープし、1時間に150ページのペースで本を読むのだとか。
天才と言われるビル・ゲイツですら、それほどの量をインプットしているのかと驚きです。

先日、社長から貸してもらった美術史の本(A3サイズと超デカくて字が超細かくて内容が超難解!)に挫けそうになっていましたが、打倒ビル・ゲイツを掲げてもう少し頑張ろう!と思った関でした。

社長から借りた本

さて、今回は先日に引き続きNFT関連の本を取り上げてみたいと思います。
『NFTの教科書』

出版から少し経つ気がしますが、未だにこの本が平積みされている本屋さんも結構見かけます。

この本の面白いところは、単にNFTの仕組みについて書かれているだけでなく、NFTビジネスの第一線で活躍する様々な方々が寄稿している点です。

各分野におけるNFTの現状、法律制度、未来予想など色々な角度からNFT界の現状を知ることができる総合的な本だと思います。

今回は、その中でも面白かった國光宏尚さんのテキストを取り上げてみたいと思います。

NFT界のこれまでの流れ、今の状況、そしてこれからの動きが分かりやすく記載されていたのでご紹介します。

NFT界のこれまで(NFT1.0の時代)

昨年、大手オークション会社のクリスティーズでBeepleのデジタルアート作品約75億円で落札されました。

このように、NFTといえば「なんだか超高額で取引されるデジタルアート」のイメージが強いかもしれません。

Beeple Everydays - The First 5000 Days

その認識はあながち間違っておらず、これまでのマーケットで活発に取引され注目されてきたのは「1点物の高額アート」でした。

高額で売買できるデジタルアートの方が値段の安いNFTアートよりも取引が成立しやすかったという状況があったのです。

その理由として挙げられるポイントは前回記事にも書いた「ガス代」です。

NFTは主にイーサリアムで取引され、売買が成立した際にはガス代と呼ばれる手数料が発生します。

この手数料は1つのNFTに対して2~3万円ほど掛かっていたため、100個限定のNFTを販売した場合200~300万円以上で売れないと損をしてしまうことが多々ありました。

これにより高額品だけが売買され、その売買が成立するすると一時の話題になり、NFTは何かのデジタルデータが高額で取引されているらしいという認識が独り歩きしたという訳です。

本テキストの中で國光さんはこの時代を「NFT1.0」の時代と呼んでいます。


NFT界の現在

現在、上記のNFT1.0の状況は変わりつつあります。

売買時に発生する手数料=ガス代が2000~3000円まで下がったり、購入者が決まってからNFT化する動きが見られたりと、マーケット事情が変化しています。まさに変革期にいるわけです。


NFTマーケット全体の今後(NFT2.0の時代)

この変化により、これからのマーケットの中心は「高額のNFTアート」から「利用用途が付け加えられたNFT」に変化していくでしょう。

例えば、ゲーム内でのアイテムの売買。
既にフィリピンでは「Axie Infinity」というゲーム内で、キャラクター売買によって得たゲーム内通貨を換金して収入を得る動きがあり、国内の経済を支えているといいます。

大人気ゲーム「マインクラフト」で建てた家が何十万円で取引される日も近いかもしれません。

現実世界でモノが売買されるように、NFT界でもバーチャル上の用途が明確になっているモノの売買がマーケットの中心になっていく。このような流れは、テキストの中で「NFT2.0」の時代と呼ばれます。


NFTアートの今後

NFTの将来に関する記述の中で、國光さんは「NFTアートは買い手が10年後や20年後にも価値がるモノと思わないと高額にならない、残らないと思う」という旨の主張をしています。

例えば、Twitterの共同創業者ジャック・ドーシーの初ツイートが3億円超で落札された後に、孫正義のツイートがNFTに売りに出されましたが、全然売れませんでした。

孫さんも時代を表する成功者ではありますが、ジャック・ドーシーのツイートは世界で初めて行われたツイートであり、ここからTwitterが始まったともいえます。

つまり、高額になる、残るNFTアートは10年後も20年後にも通用する魅力的なストーリー(歴史的文脈に沿ったストーリー)が必要だということです。

こういったNFTだけが高額で取引されることで、そうではないNFTは淘汰されていき、全体の取引量が減ることで、NFTアートがマーケットの中心からは段々と外れていき、NFT2.0の時代に近づいていきます。


終わりに:国内のNFTアートの今後について少し思ったこと

ここまで國光さんのテキストを元にNFTマーケットの過去~未来までを見て来ましたが、特にNFTアートに関しての記述に関しては印象深く、「なるほどなぁ、現実のアートと似たような流れになるんだなぁ」と思いました。

が、ここで、テキストを読む中で、NFTアートの将来について個人的に思いついたことを少しだけ残していこうと思います。

日本国内だけでみると、NFT市場には上記のNFTアートに加えて、これまでになかった新しい柱ができるんじゃないかなぁと思いました。

それはイラスト系アート。

日々SNSを観ていると、可愛らしいモノから綺麗なモノ、幻想的なモノなど素敵なイラストが沢山タイムラインに流れてきます。

世界最大の同人誌即売会コミケに表されるように、既にこの二次創作物、イラスト系アートの需要はとても高いと思います。

ただ、コミケで売買されるような三次元の作品とは別に、これまでSNSで流れてくるイラスト系アートは制作者から一方的に流すだけのものでした。

しかし、NFTが生まれたことで、そういった二次創作物にも金銭的価値を付けられるようになったのです。

この変革により、このイラスト系アートが国内におけるNFT市場の新しい柱になるのではないかなぁとこの本を読んで思いました。ムーブメントでもある「オタ活」の動きも相まって面白い方向に行くのかもしれません。

NFTに関しては全くの素人なので上記は単なるの想像ですが、これからもっと勉強して今後どんな風にマーケットが変化していくのかをよく見ていきたいと思います。


今週は以上になります。

お付き合いいただきありがとうございました!

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