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不明熱(fever of unkown origin)

①定義
そもそも不明熱ってなんなのか?
durackとstreetの定義によると4つある。
classical FUO,nosocomial FUO,neutropenic FUO,HIV-associated FUO
ただ定義についてはそんなに詳しく覚えておかなくても大丈夫。原因不明の発熱をみている状況だって理解していることが大事。
もちろん、感染症、腫瘍、リウマチ性疾患・膠原病、その他といったアプローチでワークアップしていくのはご存知の通り。

②特に注意が必要なもの
遷延する発熱の患者では、「次の一日を危うくするような」急変リスクのある疾患の診断・除外にプライオリティをおく。
以下に列挙
・感染性心内膜炎 infectious endocarditis
・結核
・骨髄炎・椎体炎・腸腰筋膿瘍
・感染性大動脈瘤
・深部静脈血栓症・肺血栓症
・巨細胞性動脈炎 →失明のリスク
・結節性多発動脈炎
・サルコイドーシス
・炎症性腸疾患→一部劇症型の経過をたどる
・成人スティル病
・リンパ腫
・心臓粘液腫

③考え方
やはり例によって、「SPRFサイクル」で考える。これはsuspect→pursue→ruleout→follow upのこと。
ところで、まずsuspectがないと始まらないわけだけど"usual supects"は押さえておきたい。
以下に列挙
・感染性心内膜炎
・結核
・リンパ腫
・腹腔内膿瘍
・EBV・CMVの単球症
・白血病
・成人スティル病
・全身性エリテマトーデス
・リウマチ性多発筋痛症
・巨細胞性動脈炎
・サルコイドーシス
・炎症性腸疾患
・亜急性甲状腺炎
・習慣性高体温
・薬剤熱

③注意
・CRPについて
CRPは主にIL-6により肝臓で生成されるがIL-6が上昇するようなイベントが起こってから実際にCRPが上がるまで24時間ほどかかる

・「自己抗体陰性」不明熱
以下に列挙
血管炎だと
結節性多発動脈炎
高安動脈炎
巨細胞性動脈炎
ANCA関連血管炎の一部
リウマチ性多発筋痛症
炎症性腸疾患
サルコイドーシス
ベーチェット
成人スティル病
IgG4関連血管炎


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