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2020年よかった展覧会・絵画

あけましておめでとうございます。色々あった2020年ですが、今年は展覧会が無事に開催される安寧な年を願ってます。ということで、今回は、2020年のよかった展覧会5つ、よかった絵9つを挙げてみました。

よかったの定義

よかったと言っても人によって判断基準が曖昧だったりするので、今回の定義は、ときめくか、ワクワクするか、没入感があるか。また、全体としては、グッとくるものがなかった展覧会も、絵単体としては、グッときたものはよかった絵としてピックアップしました。

よかった展覧会5選

ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代@Bunkamura

独特の力強い輪郭線が特徴のベルナール・ビュフェ。もともと銀座の画廊などで、見かけていて好きな画家だったので、先入観はかなりありありでした。画廊と観てたのとは若干制作時期が違うのもあったのですが、全般的にはよかった展覧会と言っていいのかと思いました。

森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私@原美術館

どこの美術館が好きって聞かれたら、原美術館か庭園美術館って応えるほど、雰囲気があって大好きな美術館でしたが、今年の1月を持っての閉館で寂しい限りです。結果的に、森村泰昌の個展が最後の来訪になってしまいました。大好きな原美術館で森村泰昌の作品たちを堪能できてよかったです。

美人のすべて@福田美術館

京都・桂川の渡月橋近くに2019年にオープンした福田美術館。日本絵画を中心としたコレクションは、一度行ってみたいと思ってました。上村松園が描いた雪女が展覧会の目玉作品でしたが、それ以外にも山川秀峰や池田夫妻の絵など見応えがある展覧会でした。

ハマスホイとデンマーク絵画@東京都美術館

久しぶりのハマスホイ展。前回より、ハマスホイの周辺にもスポットを広げて、漁師の生活に密着したスケーイン派や、静謐と表現されるハマスホイより少し色、少し話し声が聞こえてくる絵など、アラウンドハマスホイに見どころが多く、デンマーク絵画を見直すには十分な展覧会でした。

奇才―江戸絵画の冒険者たち―@江戸東京博物館

奇才とは、世にも珍しいほど、すぐれた才能(がある人)。大御所から初耳まで幅広い絵師が展開されていて、まだまだ知らない絵師が多いと認識させられる展覧会でした。おそらくこういう展覧会に行くと趣味の幅も少しずつ広がっていくのかと思いました。

よかった絵9選+1

ジョシュア・レノルズ 《マリア・アンヌ・フィッツハーバート》

[KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―@上野の森美術館]
本展は、描かれた人の人生にスポットを当てているのですが、この絵は、他の肖像画より、芸術性が高いです。描いたのはジョシア・レノルズ。ロイヤルアカデミーを創立するほどの凄腕。この頃から英国でも、芸術としての絵画が少しずつ認識し始めてきたのかと思いました。

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絵金(えきん)《伊達競阿国戯場 累》

[奇才―江戸絵画の冒険者たち―@江戸東京博物館]
劇画です。鳥獣戯画が漫画のルーツなら、こちらは劇画のルーツですね。歌舞伎芝居の一場面を描いているこの絵は、生身の人間が演じる舞台では表現仕切れないだろう箇所を補完していて、聞きしに勝るシーンの躍動感を描いてます。ちなみに名前の絵金、絵師の金蔵、略して絵金だそうで。

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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《窓枠に身を乗り出した農民の少年》

[ロンドンナショナルギャラリー展@国立西洋美術館]
ムリーリョの優しい絵が好きです。レベルの高いスペイン絵画界で培われた卓越した画力と、その内面の優しさまで描くそのセンス。ベラスケスあたりから影響を受けているのかと思いますが、特に子供を描かせたら抜群です。本作も、子どもの無邪気な優しさが表現されている秀作かと思います。

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ルマー・リベラ 《夜会のあとで》

[奇跡の芸術都市 バルセロナ展@東京ステーションギャラリー]
バルセロナ生まれのルマー・リベラ。本作は、パーティー帰りで化粧も落とさずそのまま横になってしまう女性を描いていますが。お金持ちの女の子の理想の世界観が出てる感じがします。ゴテゴテせず、品の良さがバランスよく表現されていて好感が持てる作品です。

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ピーダ・イルステズ《縫物をする少女》

[ハマスホイとデンマーク絵画@東京都美術館]
正直いうと、ハンマスホイの不穏な絵より、少しだけ穏やかな感じがあるこちらの方が好きです。描いたのは、ハマスホイの義兄のピーダ・イルステズ。ハマスホイの再評価とともに、一緒に評価されたようです。画面右側で大きい椅子にちょこんと座った女の子が可愛いです。

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ヨゼフ・イスラエルス《縫い物をする若い女》

[ゴッホ展@上野の森の美術館]
イスラエルスも好きな画家で、最近は見る機会が増えて喜ばしい限りです。左上からうっすら差す日差しで縫い物をする女性。何気ない生活の一場面を描いたものですが、明暗をつけることでメリハリが出てきてます。(実際は全体的にかなり明るいです)ゴッホの経歴で時折登場するハーグ派ですが、十分ピンで成り立つ画派かと思いました。

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池田輝方《さくら狩り・紅葉》(部分)

[美人のすべて@福田美術館]
展覧会は、日本画の美人画が集まる中、池田夫妻(蕉園と輝方)の双幅の合作に目が止まりました。二人の紆余曲折の人生を考えながら、この絵を見ると感慨深いです。同じ流派からなのか、夫婦からなのか、画風が似てますね。夫婦の合作としてよくまとまってるかと思います。

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池田蕉園《さくら狩り・紅葉》(部分)

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モーリス・ユトリロ《教会、ヴィルタヌーズ》

[モーリス・ユトリロ展@日本橋高島屋]
展覧会は、どうやってユトリロは成り立ったのか。ユトリロの作品、ユトリロの周辺も含め、構成されていたいい展覧会でした。気に入ったのは、白の時代の一枚。建物ばかり描いているユトリロなのですが、人気があるだけあって、しっかり描かれていて、いい絵かと思いました。

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曾我蕭白《楼閣山水図襖》

[古典×現代2020―時空を超える日本のアート@国立新美術館]
これもよかったのですが、画像がないので、後ほど追記します。

皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。