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ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ@そごう美術館(10/18まで)に行ってきました。

アカデミーの短編アニメも受賞したオーストラリア人の絵本・ショートアニメーション作家・ショーン・タンの絵本の原画展です。内容的には、原画がメインですが、16分間のショートアニメも(要予約)上映されてるようです。

The Lost Thing

短編アニメの《The Lost Thing》。キモカワの物体とその物体に関わってくる男性とのストーリー。ぱっと見、得体のしれない物体もストーリーを追っていくうちに親近感が出てきます。元々絵本だったものを10年かけてアニメーション化し、アカデミー賞の短編アニメ賞も受賞しています。アニメ自体は、海外のアニメって感じなんで、日本でいうと加藤久仁生の《つみきのいえ》の無国籍感に近いのかなと思います。展示されている原画の質感もコマ割りも完成度が高いです。

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arrival

《arrival》というセリフなしの絵本。昔の人や、文化圏でない外国の人にも絵だけでストーリーが理解できるように工夫、細かくコマ割りしたシーンでは、動きが見えるようですし、見せたいカットは、1ページ割いてダイナミックに見せてます。このコマ割りは漫画で研究したそうです。実際の部屋の中で、人物にポージングしてもらい撮影するこだわりよう。その画像を元に絵を起こして、空想のキャラクターが本当にいそうな不思議な説得力のある世界観が出ています。

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エリック

エリックという名の交換留学生が主人公のお話。いろんなことをするエリックが可愛い過ぎます。ちなみに、会場であるそごうの店内のバナーにも、そごうの建物と一緒にエリックが登場しています。

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その他の作品

原画が絵本ごとに展開されていきます。手書き感を残すということをインタビューでも言ってましたが、質感がいいです。大きい絵は、メガネ外して少しぼやかしながら、遠くから見た方が、絵の良さが伝わってくるような気がしました。

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立体もありましたが、摩訶不思議感がいいですね。

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旅行先で描いた小さな油彩画

絵本原画以外に、15×20cmの小さいキャンバスに描いた作品がありました。ショーン自身がいろんな国の街角を描いたものです。筆致はかなり荒く、それが街角を印象的に切り出した感が出ていて、原画とは別の魅力があるなと思いました。

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アトリエの再現

会場の最後のにアトリエの再現コーナーのみが撮影が許可されていて、撮りまくってきました。

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まとめ

こういう絵本作家は展覧会をきっかけに興味が持つことが多く、今回も、展覧会ファーストで知った作家でしたが、元々、無国籍のアニメは好きだったので、守備範囲が広がったのはよかったです。こーいう予備知識があまりなく、見れるアートはいいですね。絵本を買いたくなりました。

ここ数年で見た絵本作家との比較だと

・エドワードゴーリーよりとっつきやすい。
・レオーニより大人向け。
・レオーニとショーン・タンの中間がヒグチユウコ。

って感じかと。

主な絵本


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