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筋挫傷(肉離れ、筋膜リリース、こむら返り、腱の痛み)の鍼灸治療

疫学:収縮している筋肉に急激な張力が加わることで、筋肉が部分断裂または完全断裂を起こした状態。大腿部前面・後面、下腿三頭筋に多く発症する。

原因:ウォーミングアップの不足、筋肉疲労が強い状況下での激しい運動など。

注意点:筋挫傷を起こして瘢痕化した部位は、再発を繰り返すことがある。

一般的な治療法:内出血が大きい場合は血腫の拡大を防ぐため、アイシングが重要になる。ただし冷し過ぎると局所的な血液循環不全が起こるため、適宜アイシングを中断すること。現在ではアイシングしない方が治りが良いという学説もある。血腫が大きい場合は穿刺吸引が必要になることがある。軽症であれば保存治療となるが、筋の完全断裂を起こした場合は手術が必要になる。

当院の治療法:軽度の肉離れで、病院で保存療法を推奨されたケースでしたら、鍼灸治療が有効です。患部および患部周囲の筋肉へ刺鍼することで、何の治療もしていない場合に比べ、損傷部位の回復が早まります。通常、肉離れを起こしてから、1~3回程度施術して、筋肉が自然に回復するのを待ちます。筋肉の修復は通常4~8週間ほどかかると言われています。したがって、鍼灸治療で痛みが完全に消失したとしても、しばらくはリハビリに努め、徐々に負荷をかけるようにしてゆくのが望ましいです。また、完治した後も、肉離れした部位が瘢痕化していた場合、再発を繰り返すことがありますから、運動前のウォーミングアップは入念に行って下さい。過去に酷い炎症や肉離れを起こして、患部がシコリ(瘢痕化)のようになっている場合、当院で特殊な針を用いたとしても、完全にシコリを消すことはできない場合が多いですが、日常的な痛みや不快感、可動域制限が緩和される可能性はあります。

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