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耳鳴りの鍼灸治療

疫学:音源が無いのに音として認識される感覚のこと。感音難聴では耳鳴りを伴うことが多いが、先天性の場合やムンプス難聴の場合は耳鳴りを伴わないことがある。音響障害や薬物中毒による難聴がある場合は、障害域周波数に近似した耳鳴りが生じることがある。また、メニエール病や外リンパ瘻では難聴、耳閉感の消長に伴い、耳鳴りが変動することがある。

原因:不明。

注意点:聴神経腫瘍などの後迷路疾患でも耳鳴りを伴うことがあり、鑑別が重要である。

一般的な治療法:原疾患がある場合は、その治療を主とする。現在、耳鳴りの根本的な治療法は無く、向精神薬を用いるか、耳栓や耳鳴りマスカーなどで物理的に耳鳴りを遮断するしかない。

当院の治療法:発症してすぐであれば、針治療ですぐに治せるケースが多いです。しかし、発症してから何年も経っていたり、両耳に症状が出ていたり、頭の中まで鳴っているようなケースでは、治せないことがあります。基本的にメニエール病も突発性難聴、耳閉感、めまいも刺鍼法はほぼ同じです。重要なポイントになるのは翳風というツボへ刺鍼ですが、頸部全体への刺鍼を基本とし、顎関節症(食いしばり、歯ぎしり)がある場合は斜角筋や胸鎖乳突筋が収縮したり、交感神経が優位になって、自律神経に異常を来して耳鳴を起こすことがあるため、顎への刺鍼も必須となります。側臥位で片耳ずつ治療する方が回復効率が良く、完治も早いようです。基本的には3~5回程度の施術で変化があれば、症状は軽減するか完治することが多いですが、数回の施術で全く変化が見られなければ、当院では治せない可能性が高いです。特に、先に述べたように、罹患年数が長い、頭鳴りがある、両耳が鳴る、精神疾患を併発している、向精神薬や抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬などを常用している場合などは治せないことが多いです。一般的に、耳の症状は時間が経過するほどに治りにくくなるようです。突発性難聴やメニエール病であっても、発症して2週間程度であれば、当院では治せる可能性があります。音響障害や薬物中毒による難聴は当院では治すことはできません。

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