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都立・公社病院「コロナ後遺症相談窓口」の相談データ分析

こんにちは。東京iCDC事務局です。

東京iCDC後遺症タスクフォースにおいて、コロナの罹患後の症状、いわゆる後遺症について、都立・公社病院に開設した「コロナ後遺症相談窓口」のデータをもとに、分析を行いましたので御紹介します。

(資料全文は、以下のリンクから御覧いただけます)
 第77回 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年2月3日)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1013388/1020964.html

令和4年1月15日までに受け付けた4,804件の相談のうち、昨年10月末までに受けた3,857件を対象に分析を行いました。
(今回分析したデータは、電話相談により聞き取った情報であり、相談者の情報の全てを把握できていない可能性に留意が必要です。)

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<相談件数の推移>
こちらは、相談窓口開設後から直近の相談件数の推移です。
昨年7月から8月に、オレンジの折れ線で示した新規陽性者数が増加した影響により、青い棒グラフ、8月以降の相談件数が急増しています。
都内新規陽性者のピークから約1か月後の、9月13日から19日の週には、332件とこれまでの最高件数となり、以降、相談件数は、11月まで高い水準で推移しています。


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<相談者の基本情報>
 こちらは、相談者の情報を、年齢構成、男女比率、陽性判明から相談に至るまでの経過日数、既往症の有無について、円グラフでまとめたものです。
「年齢構成」では、20代以下の相談者が全世代の4分の1を占めるなど、若い世代も含め、幅広い年代で後遺症に悩まれている方がいます。
「既往症なし」と答えた方は76%で、全体の4分の3を占めています。


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<相談者が訴える症状>
こちらは、相談者が訴える症状を集計したものです。
症状は、多岐にわたっています。また、右下の円グラフでは、複数の症状を訴える相談者が、全体の60%を超えていることがわかります。
相談者が訴える主な症状は、嗅覚障害、倦怠感、味覚障害、咳嗽(がいそう)(こちらは、せきのことです)、発熱等が多く見られています。


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<相談者が訴える症状(男女別・年代別 比較)>
こちらは、相談者が訴える症状を「男女別」、「年代別」に比較したものです。
男女別でみると、グラフの赤枠で囲った「嗅覚障害」「味覚障害」「脱毛」といった症状を訴える割合が、男性よりも女性の方が高くなっています。
年代別でみると、赤枠で囲った「嗅覚障害」と「味覚障害」が、10代から30代の若年層において割合が高く、特に10代で、その傾向が顕著に見られます。


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<相談者が訴える症状(コロナ発症時の重症度による比較)
こちらは、相談者が訴える症状を、コロナ発症時の症状が「中等症以上」と「軽症以下」のグループで比較したものです。
中等症以上のグループでは、赤枠で囲っている「呼吸困難感」と「脱毛」を訴える割合が高く、軽症以下のグループでは、「嗅覚障害」と「味覚障害」を訴える割合が高くなっています。


<まとめ>
コロナ罹患後の症状、いわゆる後遺症は、年齢や性別、既往症の有無、コロナ発症時の重症度などに関わらず、コロナに罹患した全ての方に起こる可能性があります。
現在、オミクロン株による感染が拡大していますが、後遺症を予防する観点からも、コロナに罹患しないよう、日々の基本的な感染予防策を徹底していくことが重要です。

(参考:後遺症リーフレット)
東京iCDCでは、後遺症の症状や体験談、データ、相談窓口等を紹介する「後遺症リーフレット」を発行しています。以下のページから御覧いただけますので、是非ご活用ください。

・東京都福祉保健局ホームページ
新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/soudan/longcovid_leaflet.html

・iCDC noteの紹介記事
「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット」を作成しました!
https://note.com/tokyo_icdc/n/nd566ada200c4

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