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専門家ボードのメンバーはどんな人?⑪(微生物解析チーム 松山 州徳先生)

東京iCDCの専門家ボードに参画いただいている先生方を順番に紹介していきます。

11回目は、微生物解析チームの松山 州徳(まつやま しゅうとく)先生です。

Q.最初に自己紹介をお願いします。

A.国立感染症研究所ウイルス第三部の松山です。コロナウイルスを中心に、様々な呼吸器ウイルスの研究を行っています。特にウイルスが細胞に感染する瞬間の分子メカニズムについて詳しく解析しています。またコロナウイルスの検査法の開発もおこなっています。我々の研究室では、新型コロナウイルスの発生後、①日本で最初にこのウイルスを検出し、②PCR検査法を開発し、③ウイルス高感受性細胞を開発し、④ウイルスを分離し、⑤いくつかの抗ウイルス薬を提案しました。
人類はこの18年で、動物由来のコロナウイルス(SARS、MERS、SARS-2)による重症肺炎のアウトブレイクを3回経験しました。潜在的なコロナウイルスの脅威は自然界に少なからず存在していると考えられます。私達は現在の、あるいは今後起こる呼吸器ウイルスの感染拡大に備えるために研究や調査をおこない、感染症対策への貢献をめざしています。

松山州徳Lab

Q.次に先生の経歴を教えてください。

A.1996年に日本大学農獣医学部(現、生物資源科学部)を修了後、医学雑誌編集者として出版社に1年間勤務しました。1997年より国立精神神経センターでマウスのコロナウイルスの研究に携わるようになり、2001年に博士号を取得しました。米国バージニア大学にポスドクとして留学し、レトロウイルスやエボラウイルスの研究をおこなった後、2002年のSARS発生を機に、2003年から国立感染症研究所に着任しました。現在に至るまでコロナウイルスの研究を行っています。

Q.最後に都民の方へのメッセージをお願いします。

A.とにかく高齢者に感染させないようにしてください。そして自分が感染しないようにしてください。難しいことではないと思います。いつ、どこで感染するのか、そのポイントが明らかになってきたからです。三密を避ければ感染しません。感染者からの飛沫を受けたり、手についたウイルスを口元に運んだりしなければ感染しません。家族といえども油断はできません。無防備なおしゃべりで感染します。
今のところ特効薬はありません。ワクチンの効果が行き渡るまでには、まだ時間がかかりそうです。まずは確実に個人でできる対策をおこなうことが大切です。感染を避けるための行動や習慣を身につけてください。今、我々のライフスタイルを変える時です。


お忙しい中、ご協力いただきました松山先生ありがとうございました。

東京i CDCでは、今後も専門家ボードに参画いただいている先生方の紹介記事をnoteにて発信していきます。引き続き、東京i CDCの活動にご注目ください!

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