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あなたは感染防止対策を続けていますか?-都民アンケート結果から(1)

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

「災害レベル」と表現された第5波もおさまり、全国的に新型コロナの感染状況が落ち着きを見せてきました。東京都でも、モニタリング会議で報告されているように新規陽性者数(7日間平均)は8月下旬から継続して減少しています。9月30日には4回目の緊急事態宣言も解除されました。
こういった状況のなか、都民のみなさんは新型コロナの感染状況やワクチンに対してどのような意識をもち、またどのような感染防止対策をとっているのでしょうか。リスコミチームでは都民アンケート調査を実施しました。

調査の概要は次の図のとおりです。調査対象は東京都在住の20代~70代の都民とし、性・年齢構成を東京都の人口比率に合わせた割当抽出を行いました。調査期間は2021年10月21日〜同年同月22日、有効回収票数は1,000です。

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アンケートを行った時点での感染状況を確認するために、このアンケートの実施直前に行われた、10月21日の第68回モニタリング会議の報告を見ておきましょう。この会議で報告された感染状況・医療提供体制の分析の総括は、それぞれ以下のとおりでした。
■感染状況:「黄色」(赤・橙・黄・緑からなる4段階のうえから3番目)。
総括コメント「感染状況は改善傾向にあるが、注意が必要である」(ワクチンを2回接種した後も感染する可能性があり、軽症や無症状でも周囲の人に感染させるリスクがある。ワクチン接種後も、感染リスクの高い行動を引き続き避けるとともに、基本的な感染防止対策を徹底する必要がある。)
■医療提供体制:「黄色」(4段階のうえから3番目)。
総括コメント「通常の医療との両立が可能な状況である」(人工呼吸器管理期間が14日以上の患者が重症患者全体の約8割を占め、ICU等の重症用病床の使用が長期化しているが、入院患者数と重症患者数は継続して減少しており、通常医療との両立が可能になりつつある。)

こうした状況下で、都民の皆さんはどのように感じていたのでしょう。
ではアンケートの結果です。現時点での感染防止対策の取組状況について質問したところ、下の図のような回答結果となりました。

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これらの結果から、緊急事態宣言が解除された後も、多くの都民が感染防止対策をとり続けていることが分かります。
「密を避ける」、「大人数での食事をひかえる」、「イベント等への参加をひかえる」、「体調不良時の外出をひかえる」といった項目では8割以上の人が「いつも/まあ気をつけている」と回答しています。また、マスク着用、手指衛生については9割以上、こまめな換気については8割近くが「いつも/まあ気をつけている」と回答しています。
着目すべきは、これらの実施率が高いまま維持されているということです。リスコミチームでは、7月にも同じ質問項目を含む都民アンケート調査を実施しました。7月調査と今回とを比べてみても、ほとんどの項目で同程度に実施されているという結果になりました。
今回の調査でほかの項目に比べて実施率が低いものとして、「日中の外出をひかえる」、「夜間の外出をひかえる」、「県境またぎの移動をひかえる」があります。しかしこれらについても、7月調査と比較して約5~10 %の減少に留まっています。
総じて、多くの都民が10月時点でも感染防止対策を継続していることがうかがえます。社会経済活動の再開が本格化するなかで外出や遠距離の移動の機会が増えたとしても、マスクをつけたり三密を避けたりして気をつけて行動している都民の姿が見て取れます。都民のそうした取組が感染拡大をおさえることに寄与したものと考えられます。


ここまで、今回の都民アンケート調査の結果からは、

○ マスク着用や手指衛生については9割以上、こまめな換気や三密回避などは8割以上と、基本的な感染防止対策が高い割合で実施されていること
○ 実施の割合はほとんどの項目で7月時点とほぼ同じ高さのままで、多くの都民が基本的な感染防止対策を継続していること

が分かりました。

結果報告の第2回では、新型コロナワクチンの接種意向や接種しない理由について、第3回では、新型コロナの感染状況や今後の対策についての意識(再拡大への不安、ワクチン3回目接種への意向等)を記載しています。ぜひご覧下さい。

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