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ホテルと旅館って何が違うの?

その昔、とある先輩が「ホテル」と「旅館」と旅館の違いについて

「ホテルは、廊下やロビー、レストランなどの共用部分は宿泊客以外でも利用できる。しかし旅館は建物内すべて宿泊客のみが使う。だから旅館は浴衣でも館内を出歩けるんだよ。ホテルだとそうはいかないだろ? バスローブやルーム・ウェアで客室の外に出るのは禁止だ」

と、教えてくれました。

なるほど。説得力のあるご意見です。思わず納得してしまいました。

しかし、チ○ちゃんは知っています。
実は厚生労働省の「旅館業法」や「旅館業法施行令」によって、宿泊施設(旅館業)は「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4種の業態に分類されており、宿泊施設は設備等を鑑みて適切な業態を選んで登録しているのです。

とりあえず簡易宿所営業と下宿営業はさておき、ホテル営業と旅館営業の定義を確認してみましょう。

【ホテル営業】洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である
・客室の数は、十室以上であること。
・洋式の構造設備による一客室の床面積は、九平方メートル以上であること。
・寝具は、洋式のものであること。
・出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
・出入口及び窓を除き、客室と他の客室、廊下等との境は、壁造りであること。
・宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシヤワー室を有すること。 等
【旅館営業】和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である
・客室の数は、五室以上であること。
・和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ七平方メートル以上であること。
・当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。 等

なるほどー。構造の問題だったんですねー。
客室が9室以下だとホテル営業では申請できないとか、大規模施設でも寝具が敷布団だと旅館になっちゃうだとか、いろいろ制約があるようですが、概ねイメージ通りですね!

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ちなみに全国には9,879件のホテル営業施設、41,899件の旅館営業施設がある(平成27年3月現在、厚生労働省衛生行政報告例より)んだそうです。
まだまだ旅館が強いんですね。

▶ラブホテルは管轄外なんだって!

このほか、ホテルの中でもちょっと特殊な営業形態を持つ、いわゆるラブホテルは「店舗型性風俗特殊営業」の一業態という位置づけになっているそうで、旅館業法ではなく風俗営業法の管轄だそうです。
このため、ラブホテルには設置場所や客室設備などに一定の制限が設けられています。ラブホ街が形成される要因ですね。

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ひと昔前までは、明らかにラブホ業態なのに、制約の多い風営法下の登録をを嫌い、ホテル営業や旅館営業で登録をする「偽装ラブホ」が多くありました。
しかし2011年の改正風俗営業法により、およそ2700軒が風営法上の移行申請手続きを余儀なくされ、正規のラブホテルとなったそうです。

ラブホが風営法下におかれる理由は「児童売春等の犯罪の温床になる可能性があるが、旅館業で登録されると、風営法に基づく警察の立ち入り検査ができなかったり、18歳未満の入店も禁止できないため」ということした。

言われてみれば、納得の理由ですね。

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