経営コンサルティングの仕事の魅力

自分にとっての経営コンサルティングという仕事の魅力を書いてみたい。

私にとってアドバイザリーという仕事はライフワークだと思っている。当面は今のファームにいるつもりではあるが、将来的には他の業界に行ったり、あるいは独立することだってあるかもしれない。しかし所属や肩書は変わったとしても自分はアドバイザリー、しかも経営に関するものは何らかの形でやり続けていると思っている。(ここではアドバイザリーとコンサルティングという単語を使い分けている。どちらも大きくは意味は変わらないが前者はどちらかというと個人で行うもの、後者はどちらかというと組織で行うものとうニュアンスがあるためそのような形で使い分けている。)

このように経営コンサルティングは少なくとも私にとってはプロフェッショナルキャリアを捧げるだけの価値があるものである。ではその魅力は何かと考えると私にとっては二点である。一点目は経営という企業活動にとって極めて重要な機能に貢献できるというやりがいである。二点目は知的な面白さである。

まずは前者。企業においてはさまざまな活動が営まれているが、その中でも経営という機能は企業が付加価値を生む上で最も大事な機能だと思っている。もちろん研究開発や製造、あるいは営業などのオペレーショナルな機能が重要な場合もあるが究極的にはそれらを操る経営が価値創造・破壊に大きく寄与すると思っている。素晴らしいオペレーショナルな機能を持っていても経営が悪い結果、とそれを十分に活かせていない例は枚挙にいとまがない。もちろん経営課題として営業などの機能が重要になり、経営コンサルティングでもそれらを支援することもあるが、それはあくまでも経営という文脈から解決している。

では経営を直接すればいいのではないかという意見もあるだろうし、それはそれで一つの考え方である。しかし(あくまでも経営をやったことのない人間の一つの意見に過ぎないが)実際に経営者の仕事を見るとかなり実務的な仕事もせざるを得なく、結果的に本当に経営課題の設定と解決に時間を使っている時間は案外少ないように見える。また現実問題として比較的若いうちから経営に関与できるのは経営コンサルティングであるということも挙げられるだろう。そのため私にとっては経営を実際にすることよりも経営コンサルティングの方が性に合っている。

後者について。わざわざ高い費用を払って経営コンサルタントを雇うということはそれだけコンサルティングファームに依頼される課題は構造上、難しいものである。もちろん社内の政治的な理由から中立的な意見が必要で依頼される場合もあるが、本質的にはコンサルティングファームに持ち込まれる仕事は難しいものだと思っている。そしてそれは私にとっては知的に挑戦し甲斐のある面白いものである。加えてプロジェクトのデリバリーにせよ、提案活動にせよ、クライアントとのアジェンダシェイピングにせよ、経営コンサルタントとしてはかなり幅広いテーマに関わることができるため知的に刺激的である。ジュニアなうちはプロジェクトごとに新しい業界や機能を担当するのは当然だが、シニアになっても専門領域ができるとはいえやはり新しい業界や機能を手掛けることもある。

人の意味でも知的に刺激的である。経営を担うシニアクライアントや次世代の経営人材のクライアントメンバーと仕事をするのは知的に刺激的である。またコンサルティングファームにいる同僚たちはプロフェッショナル意識が高く、知的好奇心が旺盛であるため彼ら・彼女らと仕事をするのはやはり知的に楽しいのである。

これはあくまでも私の価値観に過ぎない。しかし上記に少しでも共感することがあったら経営コンサルティングファームの門を叩いてみてもいいかもしれない。

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