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DX な日常・障害のある方へのデジタル活用支援 ~練馬区編~

今回は、東京都と区市町村が連携して進めている”デジタルデバイドの是正”に向けた自治体モデル事業について、その目的と、モデル自治体の一つである練馬区の皆さんとコラボレーションして取り組んでいる”障害のある方のデジタル活用支援”について、途中経過をご紹介いたします。

1 デジタルデバイド是正に向けた区市町村モデル事業の概要

東京都では、行政サービスの根幹でもある行政手続のデジタル化を強力に推し進め、都政のQOSの向上を図っていくため、行政手続の原則デジタル化を定めた東京デジタルファースト条例を4月に施行しました。
この条例では、デジタルファーストを旨とした情報通信技術を活用した行政の推進について、その基本原則及び情報システムの整備等について定めるとともに、情報通信技術の利用のための能力又は利用の機会における格差、いわゆる「デジタルデバイド」の是正についても規定しています。
このことを踏まえ、今年度、デジタルサービス局において、区市町村と連携し、地域における個別課題に応じたデジタル活用モデル事業を実施しています。
このモデル事業では、地域にお住まいのご高齢の方や障害のある方々の日常のコミュニケーションのデジタル化や、行政サービスへのアクセシビリティの向上などについて、自治体職員の方や地域の皆様と協力し、段階的に取り組んでいます。
この取り組みを通じて、ご高齢の方などの行動変化やデジタルデバイド是正の効果等の検証を行い、このプロセスや効果を、他の自治体などでも共有していただけるよう、ガイドラインなどを作成・公表していくことを目的に実施しているものです。

2 練馬区とのこれまでの取組

このパートでは、練馬区における、このモデル事業のねらいである”目指したい姿”や””実現していきたいこと”は何かということと、東京都(デジタル部門)と練馬区(福祉部門・情報政策部門)による合同プロジェクトチームのメンバーがどのようにして課題等を共有してきたかなど、プロセスを含めたこれまでの取り組みについて紹介します。

まずは、練馬区におけるデジタル活用支援の現状と目指したい姿とは。

コロナ禍において、テレワークやWeb 会議、オンライン手続き、キャッシュレス決済など、デジタル技術の活用が急速に広がっています。
デジタル技術はサービスの質を向上し、日常生活を豊かにしてくれます。一方で、デジタル技術を十分に活用できる人とできない人との間で格差が生じないよう、デジタルサービスの利用方法などにおいて、きめ細かな支援が求められています。
区ではこれまで、高齢者等を対象としたスマホ教室の実施などに取り組んできましたが、デジタル化の進展に伴い、こうした事業を更に充実させていく必要があります。
今後は、誰もがデジタル化の恩恵を享受できるよう、地域に最も身近な自治体として、一人ひとりに寄り添った支援を目指していきたいと考えています。

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今回の”目指したい姿”を、都と区の間で共有・共感するため、ペルソナマーケティングという手法を使いました。

【東京都と練馬区がトライアルしたペルソナマーケティング手法】

STEP1: まずは、どうしたら本事業が皆さんに届くか、練馬区の皆さんと一緒に考えてみました。

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STEP2:次に、都職員が練馬区をデータからもっと身近に知ろうと取り組んでみました。

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STEP3:障害種別、年齢別に整理を行い、大泉障害者地域生活支援センター・中村橋福祉ケアセンターの方に都区合同でヒアリングを行い、それぞれのセンターを多く利用している層を仮定しました。

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STEP4:関係者全員が同じ想いで今回の施策に取り組むことを目指して、一旦ペルソナを設定してみました。

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STEP5:設定したペルソナを軸として、本事業に関わる全ての方々が同じ想いで、”実現したいこと”に向けて取り組んでい行くことを共有しました。(ワンチームとしてワイワイやっていきましょう!)

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ゴール:障害のある方へのデジタル活用支援で実現したいこと

障害のある方から、「スマホは苦手」「スマホを持っているけど、使いこなせていない」などの声がありました。
他方、コロナ禍において、対面によるコミュニケーションが制限されたこともありました。
こうした中、デジタルの力を使って障害のある方が、スマホから広く情報を得たり、対面以外の方法で支援者や仲間とつながることで、社会参加が円滑に進むようにしていきたいと考えています。

この基本コンセプトのもと、都区合同チームでは、今後、段階的に障害のある方向けのスマホ教室などにトライアルして行く予定としています。(トライアル等の状況については、後日アップいたします。)
今回はここまでではありますが、参加していただいた練馬区職員の方からご意見をいただいていますので、ご紹介いたします。

東京都×練馬区×センター×事業者
”デジタル活用支援事業”の活動に取り組む区職員の声!

Q:12月からスマホ教室トライアルが始まります。ここまでの準備はいかがでしたか。

デジタルに詳しい職員ばかりではないので手探り状態でした。都やセンターの方と打ち合わせを進める中で様々なアイディアが出てきて、学ぶことが多かったです。

Q:他地域(港区高次脳)の市民団体の取り組みはいかがでしたか。

ZOOMやYouTubeは障害の有無にかかわらず、コミュニケーションが取れるツールの一つだと改めて感じました。先進的に取り組まれている団体の活動を知ることは、刺激になります。参考にさせていただきたいと思います。

Q:今後の取り組みにつきましてメッセージはありますか。

障害者向けのスマホ教室は、まだまだ実例が少ないのが実情だと知りました。都、練馬区、センター、事業者に加え、障害のある方々と一緒によい取組にしていきたいと思います。

■記事執筆者
デジタルサービス局 戦略部
元谷 崇
星野 惇
練馬区  福祉部障害者施策推進課事業計画担当
眞保 裕美子
畑野 智子

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