日本女子卓球の運命を握る3人目の選択 平野美宇、佐藤瞳、早田ひなのうち誰が東京五輪へ?(12月20日の記事)


東京五輪の女子卓球団体代表の3人目が2020年1月6日に日本卓球協会強化本部により発表される。今や日本中の注目を浴びているこの3人目の選定だが、この決定に対して非常に難しい決断を迫られている
東京五輪の日本卓球女子シングルス代表の枠は、2020年1月発表の世界ランキング上位2名が選出される選考基準で決まる。世界ランキング4位で頭一つ抜けている伊藤美誠(スターツ)の出場は当確である中で、最後の1枠をかけて、石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)が熾烈な争いを繰り広げていた。2019年12月に鄭州(中国)で行われた2019 ITTFワールドツアーグランドファイナルで2人とも1回戦で姿を消したことにより、ランキングポイントでわずかに上回っていた石川の五輪出場が決まり、平野は涙を飲んだ。
東京五輪団体代表枠はシングルス代表2人に加えて、3人目が強化本部により決定される。日本卓球協会が発表した選考基準では、シングルス代表選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手が選ばれるとしている。候補として平野美宇、佐藤瞳(ミキハウス)、早田ひな(日本生命)の3人が挙げられるが、甲乙がつけがたく、協会はそのうち1人を選ばないといけないという非常に悩ましい問題を抱えている。団体戦の代表を考える時にダブルスでの実績や代表に決定している伊藤や石川との相性も考慮に入れないといけなく、シングルスの成績だけで選出するわけにはいかない事情がある。
平野美宇は現在世界ランキング11位。石川と最後までシングルス残り1枠を争っていた。3人目の選考を考える上で最も有力な候補であることは間違いない。超攻撃型のプレースタイルにしてからは、2017年に全日本選手権優勝、アジア選手権で優勝するなど、世界の舞台で中国の選手も破るなどの活躍をした。ただダブルスの世界ランキング28位で分が悪い。利き腕は右。
佐藤瞳は現在世界ランキング17位。最近では前述のグランドファイナルでリオ五輪金メダリストの丁寧に勝つという大金星を挙げた。他にも有力な中国の選手に勝つなど中国選手キラーとして名をあげている。「最強のカットマン」と呼ばれ、シェークハンド攻撃型主流の流れの中で、守備の安定性が光る選手で異色の存在。特にバックカットの安定感は高い評価を得ており、当たれば必ず入ると言われている。ダブルスの世界ランキングは6位と上位につけている。利き腕は右。
早田ひなは現在世界ランキング24位。ダブルスの世界ランキング2位とダブルスでの活躍で脚光を浴びている選手であるが、2019年のチャレンジシリーズでは五度の優勝を飾るなど、最近はシングルスでも頭角を現している。伊藤や平野と共に「黄金世代」の呼ばれる早田はサービスエースをよく決めるサーブの得意な選手で、またパワーを生かした強打が持ち味でもある。利き腕は左。
ダブルスでは一般的には右利きと左利きのコンビが、利き腕が同じより有利と言われている。伊藤は右利き、石川は左利きだ。五輪の団体戦はシングルスが4試合でダブルスが3ゲーム目の1試合。5試合をフルに戦ったとすれば、1人はシングルスを2回戦い、2人はシングルス1回、ダブルス1回戦う事になる。通常は最もシングルスでの成績の良い選手がシングルスを2回戦うので、基本的には伊藤が2回シングルスを戦う可能性は高く、そうなれば左利きの石川とダブルスを組むという事になる。右利きで、シングルスでも石川とほぼ同じ成績を残している平野に若干分があるようにも思える。
誰が3人目の五輪代表になるかが注目されているが、3人目の選考にメディアで注目が大きくなるほど日本女子卓球の層が厚くなっていることは間違いない。東京五輪で悲願の金メダルを狙うためにも中国選手に勝てるという要素も加味され、また戦術的な面も考慮されるだろう。1月6日の運命の日が待ち遠しい。

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