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あなたはマーケティングを通じて世の中を豊かにしたいと本気で思えているか?

今年のマーケティングアジェンダ最後のメモとして、最終日のラップアップディスカッションのメモをこちらにも共有しておきます。

ニトリの田岡さんのマシンガン質問で、三名の登壇者の方々のアプローチの軸が近いことと、それでいて微妙な違いがあることがあぶりだされる感じのセッションでしたが、今振り返ると、特にマクドナルドの足立さんがマクドナルドの立場で自社について語り、ドミノピザの富永さんがドミノピザの立場で自社に語る、貴重な最後の機会になりましたね。

また、個人的には吉野家の田中さんのメッセージに、果たして自分は本気でそう思えているだろうかとシミジミ考えさせられる印象的な時間となりました。

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■ラップアップディスカッション

・ニトリホールディングス 田岡さん
・吉野家 田中さん
・ドミノピザ 富永さん
・マクドナルド 足立さん

■今回のマーケティングアジェンダの感想

■足立さんの感想
 結構去年に比べても変わって良かった
 バイドゥとツイッターがメインスポンサーというのも印象的
 マーケティングの深さと広さを再確認
 コミュニケーションはマーケティングの1要素でしかないが、今回は流通の話やイノベーションの話もあったのが良かった
 残念だったのはパートナーのプレゼンが全体感を語っているものが少なかったこと。
 製品の紹介だけをされても困る。
 一発の成功だけではなく継続的な改善に成功した話を聞きたい。

■富永さんの感想
 テーマ設定が日ごとに明確だったのも良かった
 ただ、仮に参加者が1つのチームだったらと考えると、部署が縦割りになっていて一部の部署だけに提案しているような話が多かった印象。
 これはパートナーだけでなくブランド側もカウンシルも考えなければいけない問題かも。

■田中さんの感想
 嫌な感じがなかった。
 最新情報も得られるし売り込もうという姿勢も少なかった
 沖縄で開催されているのも非日常で良い。
 足立さんや富永さんなどの一流の人たちの脳みそを借りられるのが良い
 パートナーのプレゼンは、まだブランド側が自分でどう使えば良いかを考えないといけない感じが強い。
 もっと目標を事前に共有できると良いのかも。

■勝ち続けるマーケティングとは?

【足立さん】
■勝ち続けるのは難しいけど、それこそがマーケティングのベース。
 上手くいく確率を上げること。
 組織の話はあまり出なかったし、正解はないと思うが、内部と外部の話も含めて組織の話は常に考えるようにしている
 マクドナルドの場合は毎月複数のキャンペーンがあるので、広告代理店も含めてみんなでそれをレビューする、ということを徹底している。(従来は1人1人バラバラにやっていた)

■フラットな雰囲気を作るコツは?
 上の人が最後まで話さないようにし、発表は若い人がするようにし、成功の話も失敗の話もするようにすることで、代理店や若いメンバーでも普通に話せるような自然な空気ができている。
 マクドナルドのV字回復は、元々いたメンバーで実現した。
 同じメンバーでも違ったやり方、違ったモチベーションで業績は上がる。 
 やはりレビューが大事だった、最初は売上と達成率だけだったのを、徐々にROIなど項目を増やすようにしていった。

■火をつける秘訣は? 
 祝勝会。
 なにか達成したら必ず小さなお祝い会などの祝勝会をたくさんやるようにしている。
 祝勝会はとにかく楽しかったことしか記憶に残らないぐらいの飲み会。
 パートナーも当然その場に招待する

■アイデアを出しつづける秘訣は?
 社員だけでなく、サプライヤーやエージェンシーなど、様々なアイデアを大事にするようにしている。
 グランドビックマックのプロモーションに白鵬を使った。
 従来は、相撲取りを使うのはNGだったが、上手くいった
 その後類似のナゲッツなど面白さに振った企画が上手くいったことで社内の雰囲気が変わってきた。

■頭の中でわざと振り切ってやってる?
 基本的にエクストリームに振り切るようにしている。
 これだけ情報が多いと、心のどこかにひっかからないと記憶に残らない。
 小さなアイデアでも、リスクやコストが低ければとにかくやってみる
 ヘーホンホヘホハイも、実は注文する時に迷うという意味で消費者参加型。 

【富永さん】
■王様ゲームが合コンにおける必勝法だった時代がある
 しかししばらくすると、使えなくなってしまった。
 今日の必勝法は明日の必勝法ではない。
 常に新しい勝ち方を考えるのが大事

■役員会で去年の成功や競合の事例を聞かれることが多いが、これこそが王様ゲームが古くなっているのに固執しているのと同じ状態
 ちゃんと、それはもう通用しないから新しいことに挑戦することが大事と伝えることが必要

■どうやって新しいアイデアを見つける?
 とにかく常にアイデアを考えつづけると、10球に1球ぐらい良いアイデアが見つかるはず。
 アイデアを生み出す技の前に、アイデアを否定しないという姿勢が大事。
 アイデアを出したこと自体を褒めてあげると、もっと出してくれるようになる

■組織の中で工夫していることは?
 他の部署から部下が褒めてもらえるようにすることが大事
 インターナルマーケティングをすることは大事
 経営や他部署とのコミュニケーションが仕事の半分ぐらいを占めている

【田中さん】

■ビジョンクリエイティブ
 まずどういう世界になっているかというイメージを作っている。
 週1にメンバーやパートナーの人たちと会議をして、社長へのプレゼンにパートナーも出席してもらう。それにより社長の反応をメンバーとも共有できる。
 信頼を積み上げていった結果、現在はLINEで社長に合意を取れる関係になった。

■右脳クリエイター
 映像化できるぐらい、商品が世の中に出た時にどれぐらい世の中が変わっているかをカラーで想像する。
 本当に映像を作る場合もあれば絵を描く場合もあるが、通常は口頭で伝える。
 日々の議論の積み重ねの最後にアイデアのジャンプがある。

■諦めないことが大事
 まず妄想をすることが大事
 妄想をしながらアイデアを出していく。
 アイデアは絶対に否定しない。
 20世紀の敏腕プロデューサーが絶対に成功しないと言ったことを21世紀にやると成功する。
 20世紀の成功体験がある人がダメと言ったことは、21世紀は成功する。
 他人に否定されたらチャンスだと思うべし。
 映像化したイメージを、みんなと共有できれば成功できる。

■マクドナルドの提供価値は明確に決まっている
 それは変えられないが、数年後にどうするかは議論している
 夜マックは実現までに2年かかった。
 今から数年先のことを仕込んでおくことが大事

■宅配ピザはロジスティクスの成長を止めたら退化していく
 ロジスティクスに触らないアイデアであれば否定しないようにしている
 ビジョンによって活動が制約するのは本意ではないので、中途半端にビジョンは言わないようにしている。
 作りにくいものが短期的にあたっても、長期で考えると駄目なことが多い

■三日間を今後にどう活かしますか?

■足立さんが常に意識している3つ
・新しい知識
 Seemのようなこういう場所で得られない知識
・ヒント
 「競合を見るとイノベーションはおきない」というような金言
・人
 飲み友達になってもすぐにビジネスにはならないが、きっかけにはなる

■富永さん
 通常は自分が持っている経験をアウトプットするのが仕事
 自分が成長するための時間が無い
 こういうイベントを通じて、自分にとっての気づきを得て、自分の中での仕事辞書が書き換わるきっかけを得た。
 これから戻ってそれを定着させるための作業をするようにしている。
 普段は内向きな話が多いが、普段聞けないITの知識を得られたことも大きい。

■田中さん
 マーケティングコミュニケーションを通じて世の中を豊かにしたいと本気で思ってる。
 そのために仕事はノーストレス。
 今回もやりたいことを事前にイメージして参加した。
 いわゆる桃太郎における犬やキジのような仲間を探しに来たので、そういう仲間ができることを期待している。
 東京では時間が無いから聞けないスキル的な話をしっかり聞けたというのも大きいが、今後大事だと思うのは仲間を見つけること。

■マーケティングは仕組みを変えることができれば、大きな反応が返ってきて、背筋が震えるような喜びを感じることができる仕事。
 日々の定型業務ばかりやってると縮小均衡になってしまう。
 マーケティングならではの仕事をみんなでしていきたい。(富永さん)

■マーケティングはゲームそのもの
 お金もらってゲームしていると考えればとても楽しい
 失敗したところで、最悪クビになるだけ
 これだけ大勢の人にメッセージを伝えたり何かを変えたりできるのは貴重な体験。
 是非マーケティングを楽しんで欲しい。

 それを実行する時に必要なブレーンがマーケティングアジェンダではたくさん見つけられるはず。(足立さん)

参考:

参考2:

参考3:


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