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フォロワー数に応じてお金が貰える?-Group DAOとは

このnoteでは今年の年始に一部で大変話題になったGroup DAOについて情報をおさらいし、Group DAOとは何かを理解します。そしてGroup DAOの現状を踏まえ、これからのSNSの在り方においてどんな示唆が得られるかを考えます。

少し専門的な用語も登場しますが、それらを初めて知る方にも分かりやすいように解説しますので、どうぞ最後までお楽しみください。

Twitterで話題になったGroup DAO

2022年の元旦に、Group DAOというアカウントのあるツイートが一部の方々の間で大変な注目を集めました。

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“$GDO is a token designed to reward the guys who have made unrequited contributions in Twitter.(以下略)”(GDOはツイッターに報われぬ貢献をした人に報酬を与えるために作られたトークンです)とあります。トークンとはこの場合、基本的には暗号資産のことを指します。つまり、Twitterユーザーに対してフォロワー数やツイート数に応じてGDOという暗号資産を無償で配布するということをこのツイートで宣言しています。実際にプロフィールにあるURLを閲覧するとGDOを受け取ることができました。

トークンは基本的には取引所などを介して日本円などの現金に換金することが可能で、GDOも例外ではありませんでした。つまりGDOを貰えるということは、そのGDOに相当する現金がもらえるのと同じことです。特にGDOは今話題のWeb3.0関連のトークンということもあり、取引所に上場直後価格が急騰しました。配布直後に換金した人はかなりの額を取得できたはずです。このGDOやGroup DAOは何なのでしょうか。一体だれがどういう仕組みでこのようないわば「お金配り」をしているのでしょうか。その狙いは何なのでしょうか。

<参考>
https://app.uniswap.org/#/swap?chain=mainnet
(Uniswapのアプリにてイーサリアムにスワップ可能。イーサリアムは国内主要取引所で換金可能https://bitflyer.com/ja-jp/ethereum-chart)

Web3.0とSNS

この理解のためにGroup DAOが標榜するWeb3.0について少し理解する必要があります。Web3.0とはウェブと人々の関わり方がテクノロジーの進歩によって今後大きく変わってゆくという考え方のもと、その未来のウェブの使われ方を指した言葉になります。よく皆さんがネットサーフィンをする際、いろんな会社のウェブサイトやメディアサイトを閲覧するかと思います。このようにユーザーがウェブページにアクセスするなどして情報を受け取るウェブの使い方をWeb1.0と呼びます。そして今、SNSを皆さんは当たり前のように使っているかと思います。SNSによって誰もが簡単にウェブサービス上に情報を発信することが可能になりました。このように情報がユーザー間で相互に行き来するウェブの在り方をWeb2.0と呼びます。Web3.0はブロックチェーン技術などが台頭することにより、様々なウェブ上のサービスなどをユーザー自身が民主的に作ったり、変更を加えたりするウェブの在り方を指します。

<参考>


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昨今、様々なウェブサービスやアプリのおかげで我々の生活が便利になりましたが、1企業に管理されたサービスである以上、それに生活を託すことに様々な疑問を感じる人が増えました。また個人情報の漏洩やバグなどによる弊害、あるいはそうした企業のサービスそのものが我々の生活の足かせになっているという考え方もあります。Web3.0の時代には、ブロックチェーンなどによって不正行為等が無くなり、サービスのシステム管理が必要なくなる上、システムそのものをユーザー自身が自由に変えてゆくことができるようなると言われています。

今このWeb3.0の実現を謡う様々なベンチャー企業が登場し、シリコンバレーなどでは多くの投資家の資金を集めています。

Group DAOとは

Web3.0が目指すウェブの世界はなんとなくお分かり頂けたでしょうか。ここからはこのWeb3.0のソーシャルメディアプラットフォームを標榜するGroup DAOについて考えます。とは言っても、現在Group DAOについて公開されている情報はかなり限られているため、Group DAOの全てを解説できないことはご了承いただけますと幸いです。

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Group DAOはまさにWeb3.0バージョンのSNSを作ると謡っています。しかしその詳細は不明で、公式サイトなどにはサービスについてそれ以上のことが記載されていません。また誰が創業者なのが、開発チームはどんな人によって構成されているのかについても公表されていません。

<参考>

(about GDOの記載内容を参照)

ここまで読んで頂いた方はGroup DAOが大変怪しいものに感じるかも知れません。怪しい部分はありますが、そもそもこれはGroup DAO、つまりDAOという組織の在り方によるところが大きいです。DAOというのは自立分散型組織と日本語訳されます。つまり、先ほどお話したGDOトークンを持っている人は、それを売って現金に換えることができますが、そのトークンを保有することで、Group DAOが今後どのようなサービスをどのように運営していくのかという意思決定の投票権を持つことができます。DAOが画期的なのはこの組織の制度がブロックチェーンによって管理されていることです。つまり、誰かがリーダーになってこのプロジェクトや投票を管理する必要が無いのです。

<参考>

トークンを貰ってみた

なんだかすごく未来的な話をしていることは想像して頂けたかと思います。実はこのトークン配布(Airdropと言います)はすでに終わってしまっているのですが、筆者は終了期限までに無事トークンを受け取ることができたので、実体験をもってこの仕組みについて述べたいとおもいます。

私はTwitterを中学生時代から使っていますので、もうメインのアカウントは10年近く使っていることになります。また当初からアカウントには鍵をかけていたので、中高、大学の友人や知り合いなど数百人しかフォロワーはいません。Group DAOはフォロワー数やツイート数、アカウントの使用歴の長さなどに応じてGDOトークンを配るとのことでした。私が受け取ることができたトークンの数はこちらの通りです。

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3億8千万枚貰えました。すごい枚数のようですが、受け取った当初の時価は260ドルほどでした。受け取った当初すぐ売却することもできましたが、Web3.0に少し興味があったのもあり、無価値になるかもしれないことを承知でしばらく持ってみることにしました。

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Group DAO公式のDiscordに参加してみました。ここでは他にGDOトークンを保有している人とチャットをすることができます。今まさに、コミュニティの各国代表を決定する選挙をDAOの投票によって行うことになっており、Discord上では立候補を希望するトークン保有者による所信表明演説が行われています。選挙によって代表者を選出することもトークン保有者の投票によって決定しました。

<参考>


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また公式Discordではトークン保有者によって提案された投票のトピックなどを見ることができます。投票の際はこうしたウェブページから自身のトークンが入った暗号資産ウォレットを接続することで投票が可能になります。

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Resultのバナーからわかるとおり、この代表者の選出は賛成多数で決定しています。ちなみにこのInformationのバナーから、誰(どのウォレット)がこの投票を提案したのかが分かります。実はトークンの無料配布の終了もトークン保有者の投票によって決まりました。

<参考>


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Group DAOの今

GDOトークンを貰う機会を逃してしまった人が悔やんでいるツイートを良く見ますが、全く悔やむ必要は無いと思います。なぜなら今、GDOトークンは無価値に等しいからです。またGDOトークンを買うことができる暗号資産取引所もありますので興味があるなら非常に安価ですから買ってみても良いかもしれません。


またプロダクトの詳細が不明だと非難されてきましたが、最近やっと開発中のプロダクトを開発チームが小出しに公開してくれました。これがスクリーンショットだそうです。

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正直あまりパッとしないというか、見たところサービス内容に新規性が無さそうなので、先行きが少し心配ではあります(笑)。しかし無料で貰ったトークンですので、こうした進捗もちょっとした楽しみだったりします。まだまだ開発中のプロダクトなので今後に期待しましょう。

Group DAOから考えるSNSの未来

ここまで、Web3.0やWeb3.0時代のSNSを謡うGroup DAOについて、実体験なども交えながら書きました。Web3.0自体はまだ実現していない非常にラディカルな発想で、シリコンバレーの投資家が金儲けのために広めているアイデアに過ぎないという批判を度々受けています。しかしGroup DAOで見た通り、すでにユーザー(この場合はトークン保有者)による投票でサービスやコミュニティの運営を決めてゆくDAOの仕組みが実現している例は様々あります。分散型なだけに、この流れをWeb3.0の世界へうまく導けるかどうかは、まさに潜在的なユーザーである我々にかかっているとも言えるかもしれません。うまくいけば、より安全で自由なSNSが実現するかもしれないのです。そうした未来のためにも、こうした機会には積極的に参加したいですね。

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