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第35号:土を耕さない農業。不耕起栽培の試験栽培(2022年5月20日配信)

💡過去に配信したトクイテンメルマガを再投稿したnoteです。面白いなと思ったり、気がついたことがあればぜひ、SNSなどで感想をお願いします!

こんにちは。トクイテンの豊吉です。

芽かきという余分な枝を刈る作業のしすぎで、寝るときに目を閉じると脇芽が脳裏にうかぶようになりました。

四角で囲ったところが脇芽。一番太い枝である主枝と葉の脇から出てくるので脇芽。

皆さんも何かに集中しすぎて目を瞑ってもその映像が出てきてしまうことはあるでしょうか。私は過去にぷよぷよ、麻雀、詰将棋などのやりすぎでこのような経験をしています。ゲーム以外でこういうことが起こったのは初めてなので驚きました。要するにパッと画像を脳に取り込んで瞬間的に処理するような作業を繰り返す(今回だと素早く脇芽を見つける)とそれをするための脳の回路のようなものが働き続けるのだと思います。

よく「良いアイデアはシャワーを浴びている時に出る」と言ったりしますが、私の場合は寝ようとして目を瞑った後にプログラムのコードのバグに気がつくことがよくあります。その日書いていたコードのバグに何故かそのタイミングで気がつくのです。気がついてしまったら起きて作業するしかないのでありがた迷惑な話です。ゆっくりと脳みその裏側で処理されていたものが表面に出てくるのでしょうか。脳みそは不思議ですね。

さて今回は今週末に予定している種まきについて話をしたいと思います。

今回の種まきは1.5aほどの農地を区切って、大豆、とうもろこし、ヒマワリ、クロタラリア、ソルゴー、オオムギなどを植えます。

トクイテンでは有機農業+ロボットで持続可能な農業を目指すということでミニトマトの栽培を現在は行なっていますが、持続可能な農業を目指していくと将来的にはビニールハウスを使わない露地で栽培される野菜や米や穀物の栽培もやりたいと考えています。

そこで我々が今着目しているのが不耕起栽培という栽培手法です。これは土や作物にも優しく、さらに温室効果ガスの原因となる炭素を土中に貯留する能力の高いという方法です。今回の種まきはその不耕起栽培の実験として主に土壌の性質の変化をみるために行います。

海外での不耕起栽培の事例です↑

不耕起栽培というのは文字通り畑を耕さない方法で「そんなことできるの?」「あり得ない」と私は当初思っていましたが調べてみるとすでにアメリカでは3割以上の耕作面積が不耕起栽培になっていたり、日本でも農林水産省が土中への炭素貯留を増やす方法として推奨していたりします。(ただし不耕起栽培=有機ではないのでアメリカ等では農薬と組み合わせた不耕起栽培が広がっていると聞いています)

地球温暖化防止に貢献する農地土壌の役割について 平成20年3月 農林水産省

我々もこれまで文献をあたったり、日本の研究者の話を直接聞いて情報を集めてきました。わかってきたのは確かに有効な方法だが、きちんとやるには技術と時間が必要だということです。

不耕起栽培を実現するには当然単に耕さなくていいわけではありません。耕したり過剰に肥料を入れたりする代わりに緑肥やリビングマルチや輪作をうまく組み合わせることで実現します。また1年目からうまくいく方法でもありません。緑肥などをうまく使いながらじわじわと年数をかけて良い土壌を作る必要があります。

今回は大豆、とうもろこし、ヒマワリ、クロタラリア、ソルゴー、オオムギを植えます。どれも土壌の物理性や栄養面を改善してくれる物です。

例えばヒマワリは菌根菌を増やし後に育てる作物のリンサン吸収をよくする、根が深く張るため水捌けが良くなるといった効果を期待しています。見た目もいいですしね。

たまに畑や田でレンゲや菜の花やをみることがあると思いますが、それらも緑肥としての効果があるものです。

耕すことの歴史は1万年以上と言われています。それが科学的にわかることが増え、ひっくり返りつつあるというのは面白いです。

また、芽が出たり、土壌の性質の変化が観測できたら報告していきます。お楽しみに

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