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パラで話題のブラインドサッカー。選手の強さの秘訣は「ボイトレ」って本当!?

みなさんこんにちは。日向です。パラリンピックも終わり、今は久々ゆっくりとした日常を過ごしています。

今回はパラリンピックに臨むうえで、ブラインドサッカー日本代表チームが取り組んでいたボイストレーニングについて簡単に紹介しようと思います。

様々なメディアなどにもこの取り組みは紹介されていました。
私も以前このnoteで簡単に触れたことはあるのですがその時はサラッと流してしまったので、今回改めて紹介してみようと思います。

ボイストレーニングといっても歌手の方がやっているようなものとは違いますよ(笑)
(多少は共通する部分もあるのかもしれませんが、、、やったことがないのでわかりません)

ブラインドサッカーのルールにはディフェンスをするときに相手に自分の位置を知らせるために「Voy(ボイ)」と発生しなければならないというルールがあります。
このルールはブラインドサッカー独特のルールの一つです。
Voyとはスペイン語で「行くぞ」という意味だそうです。

ブラインドサッカーのファールにはパーソナルファール(個人に与えられるファール)とチームファール(チームに与えられるファール)の2種類があります。
このファールは個人にだけ与えられるファールと個人にもチームにも与えられるファールの2種類があり、
「No speak」というファールが「Voyと発生せずに相手にぶつかりに行ったかVoyの発生が遅かった」時に与えられるファールで、パーソナルにもチームにも加算されるファールです。
通称「No Voy」ともいわれるくらいで、ブラインドサッカーの中ではかなり多いファールになります。

チームファールが前後半それぞれ6回を超えた場合は、第2PKというゴール前8mからのPKが相手チームに与えられます。
(ちなみにパーソナルファールが1試合を通して5回を超えた場合はその選手は退場。レッドカードではないので選手交代による補充は行えます)

ブラインドサッカーの失点としてはPKや第2PKからの失点は決して少なくないため、チームファールの加算にはどのチームも慎重になります。

少しルール説明が長くなってしまいましたが、ではなぜブラインドサッカーの日本代表チームがボイストレーニングに取り組むことになったか説明します。

簡単に言ってしまうと日本のファールのうち「No Voy」の割合が圧倒的に多かったからです。

以前、過去の試合分析をし、どのファールを取られた回数が多いかコーチや監督がカウントしたことがあるのですが、圧倒的に「No Voy」の割合が多かったそうです。
もちろん私たち選手も感覚的に国際試合をした際に「No Voy」を取られてしまう回数が多いことは分かっていました。
実際そのファールが原因で大事なところで相手に第2PKやゴール前でのフリーキックを取られて失点し負ける(あるいは先制していたのに同点に追いつかれる)ということがとても多かったです。
なので私たちも精一杯大きな声で「Voy」をいうことは意識していました。ただ日本人ということで外国人と比べるとそもそもの声量なども違い、この課題は解決できませんでした。
レフリーに「君のVoyは小さすぎるよ」だったり、「言っているのはわかるけど遅すぎるよ」などと試合中に言われたこともあります。
「君のVoyはシャイVoyだね笑」といわれたこともあります(汗)←本当の話

そんな中でスポーツ選手やスポーツの指導者に対して発生のトレーニングをしているボイストレーナーの方が私たちのためにコーチをしてくださることになりました。

最初は私たちも「ボイストレーニングってなにやるの?」という感じでした。
実際のボイストレーニングでは、声が出しやすくなる(声がかれにくくなる)ツボの刺激であったり、声を発生するために肩甲骨回りであったり胸郭を広げるストレッチをしたり、体に声をひびかせるようにするための呼吸や発声などをトレーニングしました。
私たちが前々からチームで取り組んでいたフィジカルトレーニングでの身体操作で意識する部分と共通している部分も多く、とても自然とボイストレーニングに臨めたと思います。

実際に自分たちの声がどのぐらい大きくなったのかはわかりませんが、「No Voy」を取られる回数は圧倒的に減りました。
またブラインドサッカーで重要となるピッチ内での声によるコミュニケーションが円滑になり、攻守それぞれの場面でボイストレーニングの効果を実感することができました。

普段のプレウォーミングアップ(チームではなく個人で体をほぐしたりするウォーミングアップ)の中にもボイストレーニングで実施しているストレッチや発声トレーニングを組み込んだりしていくうちに自然と声が出しやすくなったように思います。

今は世の中の状況的になかなか大きな声を出すという場面が減少している部分はありますが、きちんとした発声や相手に届きやすい声というのは、ブラインドサッカーなどのスポーツだけでなくいろいろな場面で必要になると思います。

継続して取り組めることもたくさん学んだので、この先も自分なりに活用していきたいと思っています。
ちなみに歌はうまくなりませんでした(笑)

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