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記憶をフィックス。

前回の鍼治療、といっても匂いを使うアプローチだったので厳密には「鍼」ではないのだけど、甘い匂いに体も心もふにゃふにゃと緩んで、そしたら過去の記憶がぶわっと、制御不能にぶわっと、止まらず出てきて、寝てる間も夢ばかりで、2、3日大変だった。

だからというわけじゃないけど、今日の鍼治療の後、何となく車を走らせて走らせて、何となくで走る距離じゃないのだけど、元彼氏のところに通った道を、高速を使うようになる前に半日かけて通った国道を、元彼氏の店の前を走り抜けてさらに元夫の店跡地まで、ついつい走った。元彼氏の店と元夫の店は隣街なのです。

元彼氏の店の前を通るのは彼と別れて以来で、元夫の店の跡地に行くのは、元夫が失踪して残された積載車の後始末をつけるために行った時以来、どちらも約3年振り。そっち方面つまり国道南下は、ずっと何となく避けてきたので、足を向けるのはけりをつけてから初めてのことになる。

道路も沿道の景色も街並みも、大して変わってないなあ、と思った。元彼氏の店は、土曜なのに閉まってた。元夫の店の跡地は、もう3年も経つから新しいお店が建ってるかもしれないなあ、と思ったけど、まだ空き物件で、元夫の店の名前が入った看板が、少し剥げてみすぼらしくなって、まだそのまま立ってた。

あの頃の場所へ、あの頃の時へ、数時間と約100kmトリップしたのだけど、意外と平気だった。体はトリップしたのだけど、わたしは確実に、あの頃のわたしじゃなくて今のわたしなのだった。ここにいるのは今のわたしだなあ、と、何だか普通にそう思った。

元夫の店跡地でUターンして、また数時間かけて現在地へ戻った。現在地に近づくにつれて、頭に浮かぶことや考えることも、自然に現在に戻ってきてることがわかった。

鍼の後で往復約半日約200km走ったので、体があちこち痛いし何だかふらふらする。でも、記憶というものは結局過去の中にあるものなのだなあと、それが体の中に腑に落ちたような感じがするので、何だか穏やかにすっきりしている。いつか、若い時代を過ごした、北海道の記憶の中を走りたいな。

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