飲食店のカウンター席を仕切りで区切ると、一蘭の特許に抵触するか?
ラーメン屋の『一蘭』をご存知ですね。
独特のカウンター席で人気のラーメン屋さんですね。
カウンター席が、個室のように区切られています。
隣りを気にせずラーメンが食べられますし、店員さんと顔を合わせず注文がしやすいです。
この一蘭のお店作りは、特許を取得しています。
特許第4267981号『店舗システム』
ところで、今回のコロナ騒動。
飲食店でカウンター席を仕切りで区切ることがふつうに行われていますね。
では、カウンター席を仕切りで区切ると、一蘭の特許に抵触することになるでしょうか?
■飲食店のカウンター席を仕切りで区切ると、一蘭の特許に抵触することになるか?
結論としては、
よほどそっくり一蘭をマネしない限り、特許に抵触することにはなりません。
少なくとも、仕切りで区切るくらいでは、一蘭の特許には抵触しません。
一蘭の特許を調べてみました。
この特許の構成要素としては、間仕切りのほかに、
暖簾(のれん)、センサ、スイッチ、ランプ、スピーカ
などがあります。
これらすべてをお店に設置しなければ、一蘭の特許に抵触することはありません。
本記事ではこれ以上の説明を割愛します。
一蘭の特許に興味ある方は、上記特許番号を調べてみるといいですね。
■非常時には、特許など権利を主張せず、開放すべきか?
本記事を書いたのは、ネットのニュース記事で、この話題を見たからです。
✔カウンター席を区切ると、一蘭の特許に抵触するおそれがある
✔この非常時に、一蘭は特許を主張すべきでない
などといった内容を見たからです。
上記説明のとおり、一蘭の特許に関しては、
よほどそっくり一蘭をマネしない限り、特許に抵触することにはなりません。
ただ、もし一蘭の特許がもっと広い内容だったら・・・
ちょっと仕切りで区切っただけで、特許に抵触する内容だったらどうでしょう。
そして、他の飲食店が、こんなふうに甘く考えていたらどうでしょう。
✔通常は、そんなお店作りはしないから、特許は無視する。
✔非常時には、権利者は特許を主張せず、みんなに開放すべきだ!
こんなふうに考えている飲食店がいたとしたら、それには、賛同できません。
■事業者はふだんからアイデア出しをしておきましょう
✔非常時には、権利者は特許を主張せず、みんなに開放すべきだ!
この主張に賛同できない理由は、
✔ふだんからアイデアを出している者が、正当に評価されるべき
✔ふだんからアイデアを出していないなら、非常時には、代償を払うべき(特許で言えばライセンス料など)
わたし個人的には、そう思います。
ふだんから、非常時などさまざまな場面を想定して、アイデアを出しておく(課題を見つけて改善する)のが、事業者の役割かなと思います。
一蘭(株式会社一蘭)の特許のことは、今回のコロナを機に改めて勉強になりました。事業者として見習えることも多いと思います。
ご参考になれば幸いです。
●YouTubeで音声でもご覧いただけます。
●元ブログ
https://www.tokkyoblog.com/archives/82385112.html
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営
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