温かいつながり
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温かいつながり

az

お裾分けが好きです。
もらうのも、あげるのも。
お金でモノを買うのではなくて、モノとモノをやりとりする。
お金で計ることができない価値を交換する。
モノを通して、笑顔と「あなたにあげたい」という温かい気持ちが通い合う。

今の集落に越してきてから、ご近所さんからたびたび野菜をいただくようになりました。
元々知り合いもいない土地で暮らし始めた私たち家族。
移住者が多い土地柄でもなく、ご近所さんにとっては住み慣れた土地に突然やってきたよそ者。
だから初めて野菜をいただいた時は、よそ者の私たちにこんなに親切にしてくれるんだ…と、とても感激しました。

この場所に引っ越してきたのは息子が赤ちゃんの頃で、私は育休中。
晴れた日は息子を抱っこしながら近所をお散歩するのが日課でした。
ご近所さんたちは、散歩中にすれ違うと息子の顔を覗き込んで、優しい笑顔で声をかけてくれました。
私1人だったら、そして働いていたら、こんな風にご近所さんと接する場面もなかったと思うので、息子の存在がご近所さんとの距離を縮めてくれたのだと思います。

ただ、私たちが暮らしているのは、全体で十数軒の小さな集落。
私たちと同世代の夫婦や、小さな子どもはほとんどいません。
息子は集落の宝物のようにかわいがってもらえる反面、近所に遊び相手がいないことが気がかりでした。
今は週末農業サークルに通い始めて、隣の集落に同世代の友人もでき、子ども同士も遊んだりしています。

引っ越す前、街中のアパートに住んでいた頃は、同じアパートに暮らす人たちのこともよく知りませんでした。
顔を合わせる場面もほとんどなく、お互い興味もなかったと思います。
息子とお散歩や買い物に行っても、声をかけてくる人はほとんどいない。
人は人、自分は自分。
みんなそんな世界で生きているように見えました。
さみしいけど、そんなものなんだと思っていました。

だから今、近くで暮らす人たちと温かいつながりができたことが、とても嬉しいし、心強く感じています。
私は雪国の田舎に住んでいて、数年に一度大雪が降ります。
昨冬は除雪が行き届かず車を出せない日もありました。
でも、もし雪に閉ざされることがあったとしても、ここならみんなで助け合ってなんとか乗り越えていける。
そんな気がしています。

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az
30代。家族は夫と息子。田舎暮らしに憧れて、数年前に山の麓の小さな集落に定住しました。 子どもの頃から山や植物が好きで、森林関係の仕事をしています。夢は森林と人をつなぐような存在になること。 田舎暮らし、子育て、環境問題などについて、感じたことを綴っています。