ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる一冊。『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 - 田丸雅智』【書評】
田丸雅智 著『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 増補新装版』
本著をひとコトで表現するならば、「ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる」一冊。ショートショートの魅力に触れながら、実践を通してその書き方が学べる。
既にショートショートを書いている人はもちろんのこと、新しい趣味を探している人にもおすすめ。読む楽しみと書く楽しみの、両方が味わえる一冊です。
「たった40分」で本当にオリジナル作品が書ける!現代ショートショートの旗手が全国各地で行っている大好評・大注目の書き方講座が1冊に!
ショートショート作家として広く知られる田丸雅智さん。現代ショートショートの旗手とも称される田丸さんが書かれた、ショートショートの実用書。田丸流ショートショートの書き方に触れることができます。
田丸さんご自身のショートショートとの出合いなどの紹介に続き、講義編としてショートショートのつくり方が紹介されます。そして、実際にワークシートを用いた実践編。ショートショートの魅力を感じながら、気づけば作品が書けるようになっている。とても読みやすく、取り組みやすいのが特徴です。
後半では、ショートショートの即興ライブの様子が収められており、お笑い芸人であり作家の又吉直樹さんと共にショートショートが作られる様子も語られています。個人的には、ここが一番の読み応えポイントでした。
田丸流のショートショートの書き方を踏まえながら、又吉さんの奇想天外なアイデアが組み合わさり、最終的に仕上がった作品も本著に掲載されていますが、その完成度の高さには、ただただ感動と嫉妬を覚えるばかり。
長編小説とは違い、ショートショートは実に文章量の少ない作品。それだけに、その短さで読者を引き込むための、濃く力強い魅力が詰まっている。長編小説を電車での旅に例えるなら、ショートショートはまさにジェットコースター。ジワジワと頂上まで読者を導き、一気に駆け下りる。もしくは、一気に駆け抜ける。
驚き・インパクト・迫力、もちろんそれだけでなく、笑いや感動までも詰め込んで読み切ることができる。それがショートショートの醍醐味。
一度、ショートショート作品を読めば、その魅力に取り憑かれること間違いなし。しかも、なんだか自分にも書けそう。長編小説なんて書くのは無理かもしれないけれど、ショートショートなら――そう思ったあなたは、ぜひ本著を手に取ってみてください。
なるほど、こんな風にアイデアを形にし、物語として仕上げるのか。そんなテクニックを体感することができます。
一度書いてみたら、もっと読みたくなる。たくさん読んでいると、もっと書きたくなる。田丸さんもきっと、ショートショートを読む楽しみと、書く楽しみの両方を伝え、多くの人にショートショートの奥深さに触れてもらう活動を続けていらっしゃるのだと思います。
ショートショート作品が仕上がっていく様子を、解説を通じて知ることができる。そして、あなただけのオリジナルの作品を作ることができる一冊。読者としてだけではなく、書き手として物語に寄り添ってみてはいかがでしょうか。
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▼ショートストーリー30作品を収めた電子書籍を出版しました！
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