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人は「自分事化」されたことに興味・関心を抱くもの。それを疎かにしてしまうと、誰の心にも留まらない。

日本人はゴミもポイ捨てせずマナーが素晴らしいと言われるけど、みんながゴミを捨てないから捨てちゃダメ。でも、祭りとかだと、みんなが捨ててるから捨てていい。みたいな同調意識が働いているのでは? と思う今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて。

基本的に人は、「自分事化」されたものにしか興味・関心を示しません。どれだけ優れた広告で誘いをかけたとしても、受け取る側が「あっ、自分のことだ!」と思わなければスルーされてしまいます。

単純ですよね。自分に関係がないものには興味を示さない。ということです。

今回は誰かが誰かに「昨日の晩、こんな夢を見てさぁ~」という雑談をネタに、自分事化の重要性を考えてみたいと思います。すみません、妙な切り口で。

他人の夢(眠っている時に見る夢)の話は誰も興味を示さない

前述のとおり、「昨日の晩、こんな夢を見てさぁ~」という会話、よくありますよね。ただこれ、基本的に誰も他人の夢には興味がありません。

まず、現実に起こっていない話には、誰も興味を示しません。それを聞いたところでどうなるの? と、聞く前からきっと飽きていることでしょう。

あと、夢の話って実はすごく伝えるのが難しいです。だって、ただでさえ非現実的なストーリー。相手と共有できる前提や風景描写などが皆無な状態で相手に伝えるわけですから、基本的には面白さは伝わりません。よほどの伝達能力がない限りは。

興奮しているのは、脳内でその物語が描けて詳細な風景描写ができている本人のみです。

だから、聞く側は完全に自分事化することができないんです。だから、聞いていても退屈なんです。

もし周りに、真剣に自分の夢の話に耳を傾け楽しんでくれる人がいるとしたら、その人はとても優しい人でしょう。

ちなみに、少し話は変わりますが、小説の物語で回想シーンばかりが続くと、読者は飽きてしまうという傾向があります。現実が先へ先へ進行することに楽しみを覚える読者は、過ぎ去った過去の回想シーンを続けられると、興味を失い飽きてしまうのです。

ちょっと本題から逸れましたね。

じゃあ、どうやって自分事化すればいいのか?

あなたが、どうしても夢の話を誰かにしたいとします。でも、相手は基本的に興味を示してくれません。そんなときこそ、自分事化の力を発揮する場面です。

まずは、相手と共通の人物やお互いに知っている場所が出るかどうかを考える。

共通の人物が登場するだけで、話はグッと聞きやすくなります。相手も脳内にその人物を描写できるため、例えばその人が犯した情けない失態も、脳内で再現できるため、話に少し面白みが増します。

お互いに知っている場所を出すのも重要。これも上記と同様。知っている場所なら相手も脳内に風景を描写することができます。真っ白なキャンバスの中で未知なる物語が繰り広げられるよりも、幾分楽しみを感じてもらえることでしょう。

夢を語って聞かせる当の相手を登場させる。これも重要ですね。語り部の夢の中で自分は何をしてたんだろう? と、少しでも興味を持ってもらえれば成功です。

途中から聞き手を主人公にする。これは直接的過ぎる自分事化ですが、さすがにここまでくれば、多少笑みをもって話に耳を傾けてくれることでしょう。

最終的には、夢から醒めた後の現実の話につなげる。仮に、夢の中で右頬を叩かれたとします。で、現に夢から醒めた今、現実に右頬が腫れている、的なストーリーにつなげることができれば、聞き手である相手と同じ現実に話題を持ち込むことができます。

ここまで努力しても、相手の興味は微々たるもの。何を実感してもらいたいかと言うと、相手に興味・関心を示してもらうためには、これだけ相手のことを考え、相手が自分事として受け取ってくれるかどうかを考え、おもてなししてあげなければならない、ということです。

なので、相手にとって自分事化が難しい夢の話は、できるだけ控えるようにしてあげましょう。

なぜか「宝くじが当たったら何に使うか?話」は、現実味がなくても盛り上がる

現実に起こっていない話には誰も興味を示さないと書きましたが、なぜか宝くじが当たったら何に使うかといった話だけは、盛り上がります。

あれって、当たる可能性を信じているからなんですよね。

宝くじの1等が当たる確率って、交通事故で死ぬ確率の約1/300だと言われています。つまりは、宝くじで1等が当たる確率より年間に交通事故で死亡する確率の方が、約300倍高いということ。

どう考えても、現実味のない話ですよね。

でも、そこには捨てきれない憧れや希望のバイアスがかかっているため、現実に起こることとして受け止めてしまう。だからこそ、非現実的な会話なのに盛り上がるんですよね。

これって、宝くじが購入者に対し自分事化させることに成功していることに他なりません。いつかは自分が当たるかもしれない、という当事者意識です。めちゃくちゃ強いですね、宝くじ。

でも、目指すはここ。たとえ起こり得ないことだとしても、自分事化に成功すれば、人は興味・関心を示し、行動すら起こしてくれます。

結論、人に何かを訴求するときは、魅力ばかりを語るのではなく、相手にとって「自分の事だ」と思ってもらえるかを考える。

街なかで個人名とその人の特徴を叫べば、その人は振り向いてくれます。「黒髪でメガネを書けてショルダーバッグを抱えた田中さん!」ここまでくれば、「あっ、自分のことだ!」ってなりますよね。

でも伝えるという行為は、常に1対1とは限りません。1対多のケースが多いもの。だとすると、「黒髪でメガネを書けてショルダーバッグを抱えた田中さん!」とは呼べなくなってしまいます。

だからこそ、多くの人にとっての「自分事化」を意識し、街なかで叫んだときに、伝えたい人たちがちゃんと振り向く表現をする必要があるということですね。

そういえば、昨晩、ちょっと愉快な夢を見たので、誰かに語って来ようと思いまーす。

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