笛吹き道中記 音楽歴05

こんにちは。
朱鷺たたら(とき たたら)です。
わたしの音楽歴の続き第5回目のメルマガです。

高校に入学し、はじめはぼんやりとしていた私も、
クラスメートたちの鬼気迫る専攻楽器への取り組み方と
スパルタの学校の指導から、徐々に焦り始めました。

いつのまにか一日の練習時間は最低4時間以上、
休日は10時間程度になっていきました。

肩、凝ります。
フルートが重い。
冬は冷たい。
吹いてるうちにだんだんと温まってきますが、
ピアノはそうはいきません。
鍵盤がいつまでもひんやりと底冷えの京都の冷酷な冷たさ。

お湯を張った洗面器をピアノの脇に置いて、
手を温めてはピアノを弾きました。

わたしたちは実技試験のあと、張り出される成績表に
天国と地獄を味わい、成績上位者からチャンスが与えられるという状況に、
楽器の成績さえ良ければあとはどんな状態でもいい、というような雰囲気も漂っていました。

ある時黒板に
「音が苦」と
書いた学生がいました。

それは奇しくもわたしの気持ちそのものでした。
「音楽」はいつのまにか「音が苦」になっていました。

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