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夜のクラゲは泳げない5話「コメント欄」感想

特大の感情を詰め込んで生まれた公開ラブレターの破壊力よ

前回のあらすじ

 徹夜で頑張ったらなぜか猛烈にバズっていた。


※この記事は【夜のクラゲは泳げない5話】のネタバレを含みます。


今回のあらすじ

 技量・人気・愛が自分以上の存在、この世に多すぎるというお話。

タスケテ

 イイ感じに心温まる楽曲を必死こいて作ったのに「呪いの歌」呼ばわりされるという不幸。そんな馬鹿な、皆さま前回の「月の温度」聞いたでしょ? どこに呪いの要素が

「ただいま」「タスケテ」

 …………おわかりいただけただろうか? 飲んだくれのダメ姉から放たれる救いを求める声、救えねえ! 救えねえよ! バズったけども! 素直に嬉しいと喜べねえ!!

復活してみた

 無事に元の曲も正当な評価を得て、バズを背に勢いに乗るJELEE。海月ヨル先生もアカウント復帰してかなりの好感触。やっぱりヨル先生の描くJELEEちゃんはぷにぷにで最高にクラゲの感触の子ってそうな天才的デザインだ。触手もありますか?

調子に乗ってみた

 有名になって「大人」になった自分の姿を想像するまひる。海月ヨルとして世界に名をはせるビッグな存在になれるのだと浮足立った。浮足立つのは大いに結構だ、勘違いでも調子に乗っていても、歓喜は自分の力になる!

踊ってみた

 まひるはふしぎな踊りを踊った! 10万回再生でナートゥを踊ってもらおう!

「私もちょっとは輝けるようになったかな」と皆にメッセージを送る直前で、飲み込んだ。流石に浮かれ過ぎで恥ずかしいと思ったのかもしれない。

トゲ

 そんな有頂天なまひるに訪れる2つの水差し。

・イラストがしょぼいというコメントに少しイイネがついていたこと。
・有名絵師の「くろっぷ」さんが超絶上手いファンアートを描いたこと。

 ゆっくりと飲み込む時間を与えてくれない。小さくて取れない小骨みたいなトゲコメントにまひるは曇った。クリエイターあるあるやん……そういえばまひるちゃんはヨルとして絵を描くの相当久しぶりでブランクもあるはずなのに今まで頑張っていたんだっけ。そこから天才的な画力でのし上がったとかそういう描写ないし、絵柄は普通なのかもしれない。

 ましてや、とんでもないファンアートを描いてくる有名絵師「くろっぷ」の持つ「数字」を前にすると自分が酷く矮小な存在に見えてしまうかもしれん。皆が喜ぶ中、まひるだけ少し元気ないのを、花音ちゃんは見逃さなかった。

自宅訪問!

 自宅訪問ってエクスプロージョンと発音似てるね。(声優繋がり)

 いきなりやって来てまひるの制服を着たり、元気ない事を指摘したりする花音。天岩戸ほど堅牢じゃない口から出た言葉は、

「私だけ普通」

 音楽のサラブレッド。人気Vtuber。元アイドル。確かに、3人とも秀でたものを持っているのは間違いないだろう。

 でもまひるは知らない。これらの才能を集結させたのは外ならぬ君だということを。

君が幼い頃に描いたクラゲの壁画が、中学時代の花音を勇気づけた。
その後アイドルとして活躍した花音に魅せられた木村ちゃんがいた。
花音ちゃんがライブ乱入をした切欠はヨルとの出会いが必要で、
その動画を見て木村ちゃんが推しを探し当てる事に成功し、
動画がバズった事で伸び悩みのキウイちゃんが協力しようと手を伸ばした。

 君が全ての始まりなんだ。

 君がいなければ、キウイちゃんは近い将来Vtuberとして以前に生活が破綻していたし、木村ちゃんは推しが出来なかったことでストレスをため込みすぎ爆発していたかもしれない、花音ちゃんも離婚を機に心を閉ざしてしまったかもしれない。

 普通を自称する君がいたから今があるんだ。誇っていい。

「私が好きなんだ!」

 花音ちゃんも、自分の人生に決定的転機をくれたその絵をいたく気に入っている。そのまま抱きしめてあげ

 お腹に顔を埋めた!??? そういうのって抱き寄せるとかじゃないの!? お腹に! これは、これはどういう親愛表現なのだ?! 何となくわかるような気がするけど語りすぎると発禁食らいそう!!

全部は無理

 どんなに好きだと言ってくれても、一度数字を気にしたら、囚われるんだ。伸びないとへこむんだよ。目に見える形で「戦闘力」みたいに評価されると思い込んでしまうから。私も感想記事とか、色んなサイト巡って今ここにいますけど、やっぱり数字を気にしないってことはない。まったく気にしないってことは難しい。

配信

 JELEEとしての配信で4人一緒。花音ちゃん天性の素質でコメント欄を捌くさまは、完璧で究極の(ゲッター!!)天才的なアイドル様じゃんよ。

「私とどっちが上手?」

 ある時、たまらず花音に問いかけたまひる。これはねえ……

 2つの意味で愚問ですわ。

1つ目:ここで言う上手いの基準が技術面だとするなら、くろっぷさんの方が上手いに決まっている。まさかとは思うけど「自分の方が上手い」と思っていたわけじゃあるまい。

 まひるちゃんはつい最近までトラウマから筆を握らない期間が長くて、その間は絵の研鑽もせず、絵を公開して認知度の獲得もしてないのだ。くろっぷさんは最初から有名絵師になったわけじゃないし、君が塞ぎこんでいる間もずっと頑張って今の地位にのし上がっている。だからこの問いはナンセンスだ。

2つ目:問いかけた花音ちゃんはくろっぷさんの描いたJELEEちゃんに感服の声を上げていたから、まひるよりも上手いのは明らかに感じている。それでも彼女の中にある物差しのメモリには「好き」の度合いしか書かれていない。技術的に上手いのを抜きにしても、彼女の持つ価値観の重さは圧倒的に海月ヨルの絵に振り切っている。

水族館デート

 どうしてこんな質問しちゃったのだろうと後悔するまひる……すれ違う二人……

 とはならない。何故なら花音ちゃんはまひるのピンチには鼻が利く。半ば強引に連れて行った水族館でチンアナゴを見て

 さかなああああああああああああ!!!!

 ちんあなごおおおおおおおおおお!!!!

 リコリコ2期はまだなのかああああああああああああああああ!!!!!

 ……はっ! 発作が、アブナイアブナイ。

面倒くさい女

 愛し気に「ヨルって結構面倒くさいよね?」と、彼女のダメなところを軽く言ってくれる花音ちゃんは良い女。

 笑いながら最後に指さして「めんどくさい女」と言うけども

「めんどくさい(けど私が愛してやまない世界で1人の)女」と勝手に補完した。

渋谷に水族館を作って

 何気なく言ったまひるの冗談を花音ちゃんは快諾し、後の配信で「大事な人と約束したんだ」とまで……………………ん?

 「大事な人」???????

 メンバーのヨルじゃなく、大事な人?? んんんん?????

木村ちゃんが「大事な人って誰ぇえええええええええええええええ!!!? 少なくとも私はそんな約束してないぃいいいいいいい!!!!」と発狂して脳破壊されてそうだよ。前回の私もまひるちゃんにそれ想ってたよ。

涙の数はいかほどか

 無数にある好意的なコメントに紛れ込んだ細かいトゲは増えている。無視しようとしても出来ない。向き合う強さもなかった。……でも。花音ちゃんは信じてくれている。

「変」だと言われた絵を大事だと、今でもそれが原点だと言ってくれる最初のファン。ここで逃げたら、ファンが愛するJELEEの絵すら邪魔だと憎むようになってしまう。

 本当にこの作品、私や、何かを書いたり描いたり、生み出す人々の全てに色々刺さる内容で。好きなものを好きだと言うことや、好きの気持ちに素直になる事、好きなものを別の形にする、好きなら徹夜もへっちゃら、そして今回は

まひる「自分の絵を、好きだって思いたい」

 稚拙な文。おかしな絵。歪な作品。だとしても、今がそうだとしても、向上心さえあれば人は羽ばたける。泣くほど悔しい思いをしたまひるちゃんはここで開花した。筆を折らずに握りしめた。

 かつて「自分が生み出した」壁画にかかれた自分の名を消した。そこに、海月ヨルの名を上書きした。ここが彼女の原点。好きの出発点。何者にも塗り潰せない強い思いだ。

劇的成長

 呪いの歌補正なんてものはない、純正の動画が評価を得た。まひるちゃんの絵のレベルも格段に上昇し、今度は「これで私も、ちょっとは輝けたかな?」と恥ずかしがらずに言えた。本気になって吹っ切れた彼女は本当に強い。デッサン教室に通うほどの熱意も取り戻し、彼女の伝説が始まろうとしている。

お正月事変

 今日の木村ちゃんは凶の木村ちゃん。凄い顔芸だが大凶顔に比べたらまだまだ可愛い。

 こんな可愛い皆がわちゃわちゃして今回は終わるんだろうなあ……

 と、流れで2人きりになったまひると花音。自ら雪に描いたクラゲの絵にダイブするまひる!「私も―!」まひるにダイブ!

 は??? ……っは????

 結構強めの愛情を感じたが、これがまだジャブどころか挑発でしかないことを、この時の私は知る由もなかった。

まひる「私さ。花音ちゃんの歌も、花音ちゃんのことも好きだよ」

 異次元からいきなり火炎放射器をぶちかまされた気分だ、どういうことだ? 何が起きている!? 急接近ってレベルじゃない、そもそもこの作品仄かに百合要素があるくらいには感じていたけど匂わせる程度で終わると思っていたからここまでストレートな愛情表現するのは想定外だ!

「私にもう一回、絵を描かせてくれてありがとう」

 うおおお、ほら、ちゃんとエモい! やっぱり夜のクラゲは泳げないはこの青春の中に煌めく淡い光の輝きを見るのが醍醐味で


 ちゅっ







? …??? …・…・…・…?? ? ……・・・・??


 おい、何? それ、あの、花音ちゃん?? 今、まひるのほっぺにキスした??? うそでしょ? 流れや勢いでやっちゃったんでしょ? ほら冗談めかして誤魔化すとかさ、


花音「……(まひるを見つめてしばらく何も言わず見つめている)(自分の唇に少し触れながら、何故そういう事をしたのか考えを巡らせている)」

 …………・・……・…????? あの、確かにさ。前回の「月の温度」って歌が結構クソでかい感情を伝える歌だったけどさ。

 何だよ、キスした直後の、愛しすぎる者を見つめるようなまなざし!! キスしたことが愛情の爆裂から来た「キスしたい」の衝動に身を任せてしまったようで! 言葉でも態度でもなく行動で愛を示したんだ!? あぁ!? いやでもさあ! いやいや、まずはさ、この動機をEDで鎮静化させようぜ!! EDは結構明るい曲調じゃん、ほら!

「渋谷アクアリウム」

 ラブレターじゃねえか!!!!(ダァン)

 特濃の!! 愛が爆裂して! エクスプロージョンしてんじゃねえか!!! 他の歌が「メンバーの誰か」に置き換えても良いように出来ているのに対して、この歌だけ完璧にまひる(ヨル)に向けて歌っているんだ!!!

 君の絵が好きって感情も、水族館の約束も、綺麗な色ばかりじゃなくていい(面倒くさい女)、小さな光灯す(自分を救ってくれた感謝)


「そんな夜(ヨル)が私は好きだ」

 エナジードリンクを脳に直接ぶち込まれた。……としか言えない程今、冷静さを欠いている。君の全部が好きって堂々と告白しているようなものじゃん。何これ? 愛情が、愛情がさ……愛がさア……ぉあああ……

 因みにこのキスシーンは軽く20回はリピートしたよ。このアニメはまだ、5話目なんだぞお!! この先、何が、何があるって言うんですか!!! 

 今から2期が欲しい!!! というわけで終わり!!! これ以上は心がもたん!! 眠れねえよ!!


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。