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第1回 ゆっくり減薬 勉強会     30名でスタートしました。20210805

昨夜8月5日より再スタートした「ゆっくり減薬 勉強会」には、初参加の当事者のみなさん、精神科の治療に関わる4名の医師、代替療法の専門家の方、薬剤師さんなど様々な立場の方が30名も集まってくれました。
短いチェックイン自己紹介のあと、月崎からこの勉強会を開催している理由、精神医療の初診時の投薬のことなどに問題提起をしました。

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たくさんの方を取材しましたが、薬についての感受性も回復の仕方も、その受け止め方も一人ひとりかなり異なります。減薬にスピードについてもいろいろな意見があります。答えが一つではないから、自分の意見を押し付けたり、他人の体験を否定したりしない場にしていきたいのです。

要はどんな方法でも考え方でも回復することが第一優先!すべての体験を、大切な集合知として大切にしていきましょう。

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とはいえ、精神科や心療内科を利用して状態に困難を抱える方には、一定のプロセスがあり、それはよく似ています。

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多くの方を取材してみてどうやらその鍵は精神科の初診時の治療にがあるような気がします。身体疾患のチェックをほとんどスルーして行われる診断的な投薬。最初に脳に作用する薬を処方されることで、本当の原因がよく見えなくなる可能性もありそうです。
精神科初診には十分注意が必要だと思います。また苦しくてどうにもならなず受診した場合はともなくとして、初診で出された脳の薬を服薬するかどうかも慎重に判断して良いのではと思っています。

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精神科の診断基準には アメリカ精神医学会のDSMというのと、WHOの全疾病を網羅した世界基準ICDというのがあります。日本の精神科医はアメリカの診断基準である DSM−5をマニュアルとして使用している模様です。これはチェック項目で簡単に診断がつくマニュアルですが、「どのような状態でもなんらかの精神科の病気」と解釈できてしまうという意味で、診断のインフレを招くとか、過剰診断の原因という意見も少なくありません。
DSMで診断名が決まり、それをICDに置き換え、 ICD は保険医療で処方できる処方薬と紐付けされています。安易な診断、診断的で実験的な投薬という行為が初診から病名を確定できる傾向の背景にはあるようです。

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精神科ではDSMという精神科専用の診断基準で、その状況をジャッジされることもあり、身体疾患の見落としが起きる可能性は否めません。
精神科医の中には、基本的な内科の医療である血液検査も血圧測定も行わず、聴診器も使わず、身体そのものには一切触れないという医師もいるようです。心療内科や内科や外科などその他の課で散々検査や治療を行なって、原因が見つからないので最後に精神科という場合もあるかもしれませんが、
不調を初めから精神科だけで診断してもらうリスクはたしかにありそうです。
一番先に脳に作用する薬を服薬してしまうと、不安は消えますが、いろいろ判断ができにくくなってしまうことが問題かなと思います。
精神科には、このあたりの事情を理解している人に付き添ってもらって受診がよいのかもしれません。

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初診でもう一つ気になるのは、初診のカウンセリング、つまり通院精神療法のことです。初回は多くの医院で患者さんの話をじっくり聞いてくれることが多いようです。これは初診の精神療法が少し値段が高くて、病院にとっても新しい患者さんは新しいお客さんということなのでしょう。

例えば1時間、じっくり話を聞いてもらうと、精神的に参っていた患者さんは結構満足して先生を信頼したりするのかもしれません。もちろん本当に親身になって話を聞いてくれる先生もいると思いますが、初回のこの長めの傾聴は、どちらかというと医師側にとっては情報収拾に近い意味合いである場合が多いと思います。

患者さんの抱えている問題について情報を集めることが目的で、それを解決するためではないらしいと考えておきましょう。話を聞いてくれたあとに処方される薬は、症状について「とりあえず様子を見る」ためのものであり、先生に打ち明けた問題がこの薬で解決されるわけではなく「対症療法」であるということを錯覚してはならないと思います。

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向精神薬がその人にどのような効果や副作用を与えるか、またそれを減らしていく場合の影響についてもとても個人差が大きく、全体像が見えません。
参考になるのは、自分と似た服薬経験や体質の人の情報かもしれません。このためにできるだけ多くの当事者同士の交流が必要な気がしています。

そして減薬するためにはまず最初に自分の服薬している薬が何なのか、どんなものなのかを知ることではないでしょうか?

来週から、少しずつ薬の調べ方をみんなで学んでいきましょう。
また最も危険と考えられる向精神薬を早いスピードで減らすことや急にやめてしまうことのリスクについてみなさんでお話をしていきたいと思います。

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〔チャットよりみなさんの感想ダイジェスト〕
・普段、話することがない精神科医療に対する思いを聞いていただけて、それだけで参加してよかったと思いました。
・ちょっと時間が足りなくて…もっと話したかったし、交流したかったです
・初参加でしたが、皆様のお話をお伺いできて良かったです。要望としましては、もう少しブレークアウトルームの時間をとって頂きたいのと、精神科医の印象のお話をお聞きしてみたいです
・ゆっくり減薬のトリセツの続編(実践編)を作ったらよいのではないか?
・とても役立つ内容が盛りだくさんで参考になりました。
・ 副作用などについてもっと交流を希望します
・ 思いのほか医療者サイドの方も大勢参加しておられるので、一度いまの現状をどうかえてゆけばよいのか、思いつくままを騙り合えれば
・ 神経病も精神疾患の一種なのか。禁断症状の体験談を話し合いました
・ 幻聴が辛い方に、医師は何とか薬で対処しようと薬がどんどん強くなっている状況を支援者としてみて悩んでいます。
・ 治療法も薬もたくさんありますが、皆さんがほんとにハッピーな生活を送れるよう、支援者として考えさせられました。

次回は8月12日(木)20時から21時半に行います。
テーマは 1向精神薬の分類 2減断薬と離脱症状に関する当事者との対話です

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